僕は何をやっているのか その1

この2年近くずっと自分の授業については言葉でうまく説明することが出来ませんでした。 「とんたんさんは、学び合いの方ですよね?」と言われると 「いいえ、違います。以前はそうでしたけど。」と返します。 「では、今はどんな授業をなされているんですか…

僕は何をやっているのか その2「方法なのか人間なのか」

僕は教育史のことはよく分かりません。ですから僕が現場に立ったころ(20数年前)に見えてきた景色から、今日までの教育について、僕が知っている部分で話しをしていきたいと思います。 ※「そこは違うんじゃないの?」とか「もっとこんなのもある」と思わ…

子どもは馬鹿じゃない

これは特に幼稚園教諭や小学校教諭が大切にしなければならないことです。 よく子どもに「○組は早いね」とか「○○さん、手の上げ方が上手だね」「女子はちゃんと整列できて偉いね」とか言いませんか?全校集会や行事などでよく使う方法ですよね。でも僕は「大…

格下?

ある方からのあるメールを受けて。 日本の教育の世界では、ロースクールを格下に見る傾向があります。僕も何度か授業参観で意見を申したら、露骨に「中学校の先生にしか分からないような中身なので小学校の先生には指摘されたくない」というようなことを言わ…

学習支援員とのちょっとした会話

今日も特設勉強部を行いしました。なかなか手が回らなかった3年生のある子どもたちの学びに火が付き、バリバリと勉強しだしました。 「あっ、この子はこんな声をだすのね?」って言うくらい言葉を出しながら、生き生きと学びます。 何度か書いてきたように…

「やらない」という選択

学校現場もIT化により、以前よりもずっと効率よく仕事が出来るようになりました。例えば、僕が教員になったころは、まだワープロ(ソフトじゃなくてハードね)の時代で、みんな自前ですから互換性がなく、校務分掌の引き継ぎは紙ベースでした。(ちなみに僕…

アンチテーゼ

僕は自分の意識が芽生えたときから「あまのじゃく」だと自覚しています。みんながいいと言っていることを「本当?」って考えるし、当たり前だと思っていることを「本当?」って勘ぐります。ですから「○○すれば○○できる」なんてほとんど信じていません。まし…

放射線教育の実際について講演します!

福島の子どもたちとと​もに・世田谷の会にて、放射線教育の実際についてお話しさせていただく機会をいただきました。11月9日(土) 東京都世田谷区宮坂の生活クラブ館地下スペースにて 13:30〜16:30 詳しくは↓ http://savefukukids.jimdo.com/…

学び合い型の学習は最高レベルの授業です。

以前、僕は学び合いの授業は比較的若い先生でも簡単にできるんじゃないかと考えていました。しかし、やればやるほど、こんなに難しくて揺らぎの大きい授業を若い教師が日常的なサポート無しにできるものではないと考えるようになりました。何がそんなに難し…

なぜ勉強するの? →答え:おもしろいから

何度も書いてきたけど、若い先生に向けて定期的に書きます。 シール、ビー玉貯金、カードなどなど。 僕は極力やりません、使いません。 シールなんてこの20年間で2〜3度買っただけです。 よく「こんなシールもらえるって思ったら子どもも喜ぶよね」なんて会…

反転授業

僕のようなたまーーーーに料理をする人と、プロの料理人との決定的な差は、揺らぎなく同じ味にできるということです。例えば酢豚(いわゆる日本風酢豚ね)。季節によってタマネギもピーマンも食感が異なります。さらに豚肉だって、個体差があって、毎日同じ…

結局は授業

荒れている子どもたちにずばり聞いてみました。 「荒れているもっとも大きな原因は何?」 「ん〜〜〜、やっぱり授業かな・・・」 僕が見る限り、小学校で学級崩壊しているクラスは、はっきり言って授業がルーズです。2つの点で。 一つは子どもの状態を把握…

光と影

強い光があると、その分、影は色濃くなります。 光の指向性が高ければ高いほど、その影の輪郭はくっきりとします。 光は輝こうとすればするほど、影もまた色濃くなるのです。 学校というものは、光も影も好まれません。 だから、「ぼんやり」とぼかすのです…

全国学力テストを考える

僕は全国学力テストのテストの内容や質、アンケート調査などについては何の不満もありません。よく出来た問題だと思うし、A問題やB問題という形で子どもの到達度を測り、今後の教育の指標にしていくことはとても大事なことだと考えています。 しかし、そうし…

学校とは?

学校の未来像について話します。 僕はオランダのように、学校は公立と私立が半分半分くらいの割合になることとを願っています。今のように、エリート教育がうんたらとか、進学率がうんたらとかではなくて、教育方針や学習スタイルによって親が子どもの成長に…

共同学習に何が足りないのか

今日は近隣の学校の授業公開に合わせて、ぜひお話を聞かせて欲しいという県外の先生からお声をかけていただき、1時間ちょっとですが話をさせていただきました。その振り返りをまとめたいと思います。 授業、とりわけ共同学習をするためには大きく2つの絶対…

後援会

高橋さんのエントリーがおもしろいので、そこにかぶせます。 http://manabitudukeru.g.hatena.ne.jp/nao_taka/20130926/1380204828 僕は学習の仕組み作りが好きなので、既存の学習だけでなく、新しい実践も取り入れてどんどん楽しみます。しかし、こうした実…

問われること、そして答えること

僕の授業を観た多くの方からその場でたくさんの振り返りをいただきます。 その人の感じたこと、そして違和感(西脇KAIに参加してからこの言葉がブームですね)を僕は受け止めます。とりわけ違和感はとても大事な振り返りです。その問いに対してすぐに答えら…

教師とは孤独を愛する仕事

最近は、現場でもチームティーチングで行うことが多くなってきています。しかし、授業の9割では教師が一人で授業をすることになります。また、瞬間的な判断、そして行動はやはり「自分」なのです。そこに責任を持つ力のない人を教師とは呼びません。 教師は…

始めから「教師」なんていない

今日話したことをメモ 僕の2回目の教育実習(僕の出た大学では3年生で附属、4年生で一般公立校で行います)は昭島市でした。今日、電車で昭島市を通過したときにある出来事を思い出しました。4年生の実習では昭島市の小学校に配属になったのですが、その…

スピード

この年になると校内のほとんどの校務分掌を経験します。僕のような人間でさえ、体育主任を任されたこともあります。最近では、授業研究よりも生徒指導主事としての仕事の方が校務分掌のウエイトが多くなりました。 この校務分掌で最も大事にしていることは「…

「マシ」という考えが引き起こすもの

東京オリンピック招致の際「東京は福島から250kmも離れているから安全です」という説明がありました。 同じく福島県では 「浜通り地方(福島県の海側の地域)では原発周辺(市町村)から比べてずっとマシです。風評被害です。」 「中通り(福島県の中部…

どんな保護者も一生懸命なのです

私たち教師は、子どもの勉強(宿題)から、学習の準備、さらには事細かな生活の規則まで保護者に多くの対応を求めます。 こうしたことを本当に的確にこなし、さらには抜けだらけ僕をフォローしてくださる素晴らしい方もいらっしゃいます。一方で、仕事や生活…

うらみます

中島みゆきの「うらみます」のフレーズが頭をぐるぐる巡ります。今回はかなり厳しい話をします。 僕たち教師はプロフェッショナルでなければならない。僕たちは子どもを成長させることの対価としてお給料をいただきます。しかし、学校というものは怖いもので…

放射線・福島の現状 今分かること、そして分からないこと

放射線についてここまで分かっていること、分からないことについてメモします。 まず分かっていることは、現在の福島県で流通している県内産の生産物にはほとんどセシウムは含まれておらず(厳密に言うと検出限界値以下であってごくわずかだけど入っているも…

心では対応してはいけない

何か物事に対処しようとするときに、人は心で対処しようとします。でもその多くの場合うまくいきません。 「僕がこんなに心配しているのに」 「あなたのことをこんなに考えているのに」 「どうして分かってくれないの?」 こうして心がどんどん消費されてい…

アカデミーキャンプ参加者募集

本校の子どもたちがこれまで大変お世話になりました「アカデミーキャンプ」ですが、今月は下記のようなプログラムが行われます。特に理科や医学などに興味のある中高生は参加してみることをお勧めします。「アカデミーキャンプ」信頼できる方々の取り組みで…

スピード

9月1日は防災の日 全国各地で大災害を想定した防災訓練を行っていたようでした。 しかし、東日本大震災を経験して防災訓練などの基礎的なスキルやリテラシーが確かに役立つものの、実際のほとんどの場合にはそんな想定した通りにことは進まないことがよく…

2学期のスタートと10本ノック

2学期が始まりました。今週は月曜日から始まったこともあって大変疲れた一週間でした。 さて、1学期の僕の反省は徹底の不足でした。きれいにまとめすぎて「泥臭さのない学習をしてしまったな」という感じです。そこで2学期は学習を垂直に立て上げています…

教育は人

ある若い友人の先生がfacebookにアップした内容です。@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 「教育は人」だとは思う。だけど、一方で人に頼りすぎない学校のあり方も考えていかないと、立ち行かない。だって皆が皆、そんな立派な人間ではないのだから。 教師も子…