授業のこと

『学び合い』を学ぶということ

僕は今は『学び合い』を看板に掲げている教師ではないのですが先日フォーラムにお呼びいただいたのでお礼に何か参考になることでもと思い、ちょいと書きます。 フォーラムの分科会を全て覗いたわけではないのですが、分科会が多様であってとても良かったです…

インタラクティブカリキュラムの特性とは

小学校の学級担任性が中学校の教科担任制に比べて優れているのは、子どもへのケアだけではありません。 学級担任であるということは学習の垂直方向の力が弱い(つまり教材研究の力が弱い)反面、水平面で学習を捉える・統合する力が強いと言えます。インタラ…

教科担任制のデメリット

小学校の教科担任制。実は極端に教科が偏っています。教科担任制(小学校でいう分科の授業)の多くは理科や音楽、図工です。逆に算数、国語、社会、体育ではそれほど多く行われません。これにはいくつか理由が存在します。そこを掘り下げながら、まずは現状…

教科担任制3ヶ月の振り返り その3

なぜ小学校での学級担任制を増やしたほうがよいのか? 今回は別の視点から切り込みます。 僕らの世代が採用された時代、平成4年ごろは市内の大規模校は児童数が軒並み1000人ほどおりました。当時は40人学級(現在の福島県は33人が最大人数です)し…

教科担任制2ヶ月の振り返り その2

ずいぶん間が空いてしまいましたが続き「うまくいくための仕掛け」について 教科担任制を専科で行うというシステムを考え出したと同時に、あることを仕掛けようと考えていました。それは「専用教室」です。中学校ですと「移動型」ですね。つまり「特別感」を…

教科担任制2ヶ月間の振り返り その1

算数の教科担任制から2ヶ月間が過ぎました。ここまでを振り返ります。約2ヶ月間の脳内シミュレーションを経てからの算数教科担任制のシステムは、極めて順調です。ほぼ僕の予想どおりにカリキュラムは進行しています。各学校で僕の学校のような規模、児童…

教科担任制3週間

教科担任制を3週間が過ぎました。この間、全国学力テストの準備や実施、振り返りなどを入れてもまだ時数には余裕があり、そして子どもたちも意欲的です。その秘密はいくつかの「しかけ」を準備しているからです。 教科担任制にすれば学力が上がるなんていう…

叱る

僕はよく子どもを厳しく叱っていました。忘れ物をした子、友達にひどいことをした子など、強く厳しく叱ることで、それを繰り返さないようにと。でもある飲み会の時に、某大学教授が「忘れ物をした子どもを叱っても、何にもメリットなんてないよ。」そんな一…

下りる

この話は、教師に取ってものすごく重要かつ、ものすごく興味深い話だと思います。この7〜8年の蓄積で、確定的に言える話です。 小学校でも高学年になっても、かけ算、わり算がろくすっぽできない子どもが1割程度いると思います。これだけの学力差がある場…

オーバクロック

パソコン関係に詳しい方ならよく分かると思いますが、インテルのCPU coreiシリーズでは、数年前からターボブーストなるのものが搭載されています。これは通常は低いクロック(エンジンで言うと回転数)なのですが、パソコンの立ち上げや重い処理などをする時…

インタラクティブカリキュラムとアダプティブ

インタラクティブカリキュラムというのは簡単に言うと、複数のベーシックスキルを教科間でやりとりすることで学習を深めていくというカリキュラムです。教科はそのベーシックスキルを媒介として融合していきます。僕はそれをさらにアダプティブに組み上げて…

教育人間塾でお話しさせていただきました

元、北海道教育大学の学長を勤められた村山紀昭さんから招待を受けて、「教育人間塾」で、放射線についての取り組みや、教育界の流れと僕の取り組みについて話をさせていただきました。 実は後半の話はどう話をしようか大変迷いました。というのも最後の話が…

アダプティブに授業するとは?  その1

アダプティブ授業。 つまり「どんどんやってみて、子どもたちの状況や理解を判断しながら授業を展開していく」そんな授業です。 もっともイメージしやすいのは、実は体育です。 今、子どもたちは「サッカー」の授業に取り組んでいます。通常、サッカーをする…

インタラクティブカリキュラムとは?

インタラクティブカリキュラムについては何度か書いてきましたが、今日の4年生の授業について書いてみます。 今日の子どもたちの理科の授業ですが、机の上には国語の教科書とノートも乗っています。理科は「物の体積と温度」つまりボイルシャルルの法則を実…

反転授業

僕のようなたまーーーーに料理をする人と、プロの料理人との決定的な差は、揺らぎなく同じ味にできるということです。例えば酢豚(いわゆる日本風酢豚ね)。季節によってタマネギもピーマンも食感が異なります。さらに豚肉だって、個体差があって、毎日同じ…

みゆき会がゆっくりと始動します

正確に言うともうとっくに始動しています。ですがやっていることが多すぎて整理できていないところがたくさんあります。しかしそれらも徐々に整理され、体系化されてきました。僕のドロップボックスにはすぐに書籍化できるレベルのものが数点ため込まれてい…

軌道修正

この二週間ほど授業のことでちょいと悩んでいました。何年かぶりに悩んでいたのですが、原因が分からず「???」でした。僕のような発想型の人間は、新しい分野を切り開く能力には長けているのですが、同時に前人未踏に踏み込むので、失敗もつきものです。…

理科の授業

今日は校内研究会で理科の授業公開を行いました。教育委員会の指導等を除けば、人に見せる授業としては本当に久しぶりです。ちなみに私は理科免許を持っており、どの教科について一番「知識」を持っていますか? と問われれば間違いなく「理科ですね」と答え…

インタラクティブカリキュラムの次

ぼんやりとインタラクティブカリキュラムのステップ2を考えています。 ステップ1は一言で言うならば「書く」 ですがステップ2は「読む」です。 でも物語を読むの「読む」ではありません。理数を「読む」です。 これはPISAテストのイメージを通常の授業に…

インタラクティブカリキュラム 最終

で何がインタラクティブ(双方向)なのか? 何度も同じフォーマットで書けるということは、他教科で活用した言語スキルが、その教科での評価を受けてまた国語にフォードバックされていくことにつながります。そのフィードバックされた内容を受けて、自分の書…

インタラクティブカリキュラムとは何か? その4

どうして書く量が圧倒的に増えるのか? フォーマットを「統一する」ここにそのポイントがあります。 例えば、理科ならば大単元に2〜3つ程度の小単元があります。 ですから共通のフォーマットを使えば2回繰り返せることになります。 また、フォーマットは…

インタラクティブカリキュラムとは何か? その3

つまり 私たちは国語に限らずどの教科でも「調べる→要点を洗い出す→まとめる」というプロセスで学習をしているはずです。 例えば理科。 理科の学習プロセスは単元が変わろうとも同じです。単元のテーマから入って、どんなことが分かるようにしたらよいのかを…

インタラクティブカリキュラムとは何か? その2

普通の国語の授業のことに視点を移します。 国語の説明文ではどのような授業が一般的に行われているでしょうか。 校内授業レベルだと内容の読解で授業が終わっていることが普通です。 例えば「ヨーグルト」についての説明文では、そこに書かれているヨーグル…

インタラクティブカリキュラムとは何か? その1

最初は何となく感覚から始めたのですが実践を重ねて次第に構造が明らかになってきました。そこでインタラクティブカリキュラムとは何か? について何回かに分けてお話ししたいともいます。 最後から話します。 これを実践している坂内・古田・高橋のクラスの…

学び合いの次に必要なこと

教師にとっても、子どもにとっても「学び合う」こと事態が目標ではありませんし、そうであってはなりません。僕にとっては学び合うことなんて毎日空気を吸って、水を飲むようもので、特別なことではありません。だからこそ、授業ではしっかりと内容も教える…

授業で最も大事なこと

これまで多くの授業を観てきて授業で最も大事なこととは何か? それは「聴く」です。 なぜそう言い切れるのかというと、それは授業の見方にあります。僕は絶対に授業を後ろからは観ません。必ず教師側から子どもたちを中心に観ることにしています。教師や板…

来年度の授業に向けて

自分へのメモがてらに 1.練り上げる授業へ 2.織り重ねる学び、インタラクティブカリキュラムの徹底 3.そして「読む」に踏み込むこと 1.練り上げる授業へ 今年度の授業を通して、うまくいったこと、うまくいかなかったことを今、整理しています。今年…

「地獄へ落ちろ!」

は、佐藤学さんが講演会でよく話す「決めゼリフ」です。 「授業の本質を見ることもなく持論をかまして批判を繰り広げる教師に対して、そんな時にはにっこり笑って受け流し、心の中では『地獄に落ちろ!』って言ってやればいいんです。」佐藤学さんはよくそう…

「スピードはパワーだよ」

「スピードはパワーだよ」という話を子どもたちによくします。 うちのクラスの算数は3回目の学び直しに入っています。1回目は教科書ベースの学習。2回目はテストベース。3回目は形成プリントで基礎の最終的な「抜け」の洗い出しです。 ちなみになぜこん…

授業デザイン

私たちの授業デザインは以下の3つです。少し詳しく書きます。 1.学び合う子どもたちと教師による持続し向上していく授業 2.各教科の連携・融合による学習の深化 3.書く活動(国語)を基盤とした学習 1について 学びの共同体や『学び合い』など協働学…