小学校の学習のレベルを押し下げている原因とは? その2

小学校のタブー(この問題は多くの教師が口をつぐんでいるのだけど)に切り込みます。
この問題には教師側の問題、そして教材会社側の問題と2つの側面があります。まずは教師側の問題点から。
教師はテストで多くの子どもが高得点を取らせることを最大の目標としています。学級の中で0点や20点、30点が連発することを特に嫌います。ですから、普通にやれば1/3の子どもが100点をとれることをよしとします。平均点は「誰がやっても」85点程度になるようにしたいわけです。ここで「誰がやっても」というのがとても大事で「授業の良し悪しに影響されない」こと、つまり授業のそのものに影響を受けないものこそが良いテストなわけです。ですから以前、授業に入る前に国語のテストを受けさせたことがあります。結果は平均点が85点。これまでと何も変わりありませんでした。
また、教師によって丸つけが容易であることも大切です。6年生のテストでも先に述べたようなテストですから、子どもの内容をよく読みとる必要がありません。画像認識のレベルで採点ができるわけです。小学校教師は、学級担任制ですから、4教科もあると学期ごとに30枚以上のテストを採点することになります。40人学級だと1200枚ものテストを(これは中学校の1200枚とはわけが違います)裁かなければならないのです。そうなると丸つけ作業は膨大になりますから、簡単な方がいいのです。
「風はどうどうとふきました」
Q「風はどうふきましたか?」
A「どうどう(とふきました)」
こんな問題が出てくるのも「丸のつけやすさ」という理由も含まれるのです。
このように教師自らが実は授業の質などどうでもいいと実は考えているわけです。「そんなことはない!」そう否定する人もいらっしゃると思いますが、もし本当に授業の質を本当に大事にする人であれば、教材会社の単元テストなんてほとんど参考にせず、成績に反映していないはずです。
実際に1学期は1年生の担任をしながら、初任者の理科の授業も担当していたのですが、忙しくて授業の質が低かったにも関わらず、逆にテストの成績はよいわけです。なぜ授業の質が低いほどテストの成績は上がるのか、その意味を考えてみてください。