2015-01-01から1年間の記事一覧

『学び合い』を学ぶということ

僕は今は『学び合い』を看板に掲げている教師ではないのですが先日フォーラムにお呼びいただいたのでお礼に何か参考になることでもと思い、ちょいと書きます。 フォーラムの分科会を全て覗いたわけではないのですが、分科会が多様であってとても良かったです…

潮流を感じた2日

『学び合い』のフォーラムに行ってきました。実は初めての参加です。昨年のみゆき会で、Iさんに半分冗談で「『学び合い』のフォーラムも、みゆき会のブースを設けてくれるような心の広さが欲しいよね。」と話をしたら、今年はきちんと場を設けてくださり、会…

インタラクティブカリキュラムの特性とは

小学校の学級担任性が中学校の教科担任制に比べて優れているのは、子どもへのケアだけではありません。 学級担任であるということは学習の垂直方向の力が弱い(つまり教材研究の力が弱い)反面、水平面で学習を捉える・統合する力が強いと言えます。インタラ…

教科担任制のデメリット また

前回は小学校における教科担任制の現状と問題点について書きました。 今回は小学校であるがゆえの問題点について。 そもそも小学校ではなぜ学級担任制なのでしょうか? その最大の利点は「1日を通して子どもの状態をつかめる」ということです。小学生にもな…

やっぱり授業

本校では特別活動という切り口からも「子どもの自立」へのアプローチに取り組んでいます。具体的には早稲田大学の田中博之さんのレーダーチャートの活用を導入しています。こうした取り組みも学校の中でとても大切なことと思い全クラスで取り組んでいるわけ…

教科担任制のデメリット

小学校の教科担任制。実は極端に教科が偏っています。教科担任制(小学校でいう分科の授業)の多くは理科や音楽、図工です。逆に算数、国語、社会、体育ではそれほど多く行われません。これにはいくつか理由が存在します。そこを掘り下げながら、まずは現状…

とける学び

「とける学び」最近はそんなことを考えています。インフルエンザ香港Aは、100年ほど前の新型インフルエンザであり、世界中で猛威をふるい、数千万人の人が亡くなりました。第1次世界大戦が終了するきっかけにもなったと言われています。お盆に母の実家の…

教科担任制3ヶ月の振り返り その3

なぜ小学校での学級担任制を増やしたほうがよいのか? 今回は別の視点から切り込みます。 僕らの世代が採用された時代、平成4年ごろは市内の大規模校は児童数が軒並み1000人ほどおりました。当時は40人学級(現在の福島県は33人が最大人数です)し…

教科担任制2ヶ月の振り返り その2

ずいぶん間が空いてしまいましたが続き「うまくいくための仕掛け」について 教科担任制を専科で行うというシステムを考え出したと同時に、あることを仕掛けようと考えていました。それは「専用教室」です。中学校ですと「移動型」ですね。つまり「特別感」を…

教科担任制2ヶ月間の振り返り その1

算数の教科担任制から2ヶ月間が過ぎました。ここまでを振り返ります。約2ヶ月間の脳内シミュレーションを経てからの算数教科担任制のシステムは、極めて順調です。ほぼ僕の予想どおりにカリキュラムは進行しています。各学校で僕の学校のような規模、児童…

3つの力

今日は、これまでの取り組みを振り返り、その効果を計る意味もあり、ずっと子どもを観察することに集中して、授業を行いました。ずっと子どもを観察することで、心の状態、特性、関わり、集中などなどをモニタリングできます。そうすることで、これまの自分…

医師と教師

最近、群馬大学を発端とした医療事故が、メディアをにぎわせています。内部の詳しい内容は僕には分かりようがありません。でもこの医療事故は、私たち教師にとって無関係なことでしょうか? 僕には他人事とは思えません。医師は人の命を預かり、教師は人の成…

教科担任制3週間

教科担任制を3週間が過ぎました。この間、全国学力テストの準備や実施、振り返りなどを入れてもまだ時数には余裕があり、そして子どもたちも意欲的です。その秘密はいくつかの「しかけ」を準備しているからです。 教科担任制にすれば学力が上がるなんていう…

教科担任制 最終 本丸

今年度から始まった教科担任制は、主に高学年で教科担任制の効果を試すものです。しかし、僕の最終的な狙いはそこにあるわけではありません。僕がなぜ膨大な時間をかけ、本校の独自の教科担任制システムを構築したのかというと、それは学校全体の授業の活力…

教科担任制その4

今文科省では、633制というしばりを小中・中高一貫校を通して緩めようとしています。僕も改めて小学校の現状を考えた時に、こうした考え方は必要なのではないかと感じます。小学校の高学年ではこれまでお話ししてきたようなデメリットが際立ってきますが…

教科担任制その5

教科担任制を実施するにあたって、ひとつ仕掛けを作りました。それは「場」づくりです。子どもが授業するとき、場というものはとても重要です。僕の作る場は僕の距離感や雰囲気、子どもがどこにどのように座るのか、それらこまかなことをすべて合わせて「僕…

教科担任制その3

もう少し小学校のシステムの限界についてお話しします。 小学校は学級担任制であるからこそ、きめ細やかに、時系列で子どもを見とることができます。しかし、そのデメリットもあります。もっとも大きなデメリットは実は「授業」なのです。授業とは言ってもた…

教科担任制その2

教科担任制のことを話す前に、まず現在の小学校のシステムの限界について少しばかり話したいと思います。全国どこでも小学校の場合、高学年(つまり5・6年生)の担任を希望する人がほとんどいません。ですから、高学年の「指導」を比較的得意とする先生が…

教科担任制

僕はこれまで小学校での教科担任制には大反対でした。「小学校でも教科担任制にすればいい」という発想は「専門性が高いほどよい授業ができる、子どもがわかるようになる」というとても幼稚な発想から生まれます。もちろん専門性がなくていいという意味では…

担任やめました

1年半ほど前 岩瀬直樹さんから「坂ちゃんの本当にやりたいことってカリキュラムなの?」 石川晋さんから「坂内さんはこれから何をしたいの?」 そう言われた時から僕は僕の中に芽生えてきている「存在」に気がつき始めました。インタラクティブカリキュラム…

システム

実は公立における全国初の小中一貫校は郡山市にある学校です。僕はその立ち上げに関わっていましたし、開校の時の6学年担任、そして教務を兼任していました。開校時には毎日のように全国から視察が来校しておりました。小学校における教科担任制の可能性が…

積分する学び

子どもは自分の現在地が分かりません。上りなのか下りなのか、その坂がどれほどのものなのか。我々大人はこれまでの経験があるゆえに比べることができますが、子どもにはその比較すべき経験がないのです。 面白い授業は「点」として子どもの意欲を引き出しま…

おすすめです(PTAの話)

以前、Facebookでちょっと紹介したのですがPTAをけっこうラクにたのしくする本作者: 大塚玲子出版社/メーカー: 太郎次郎社エディタス発売日: 2014/05/30メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る大塚玲子さんのこの本、とてもよく…

模索

ドラクエの作戦でいうと僕は「ガンガンいこうぜ」のタイプです。ある方向性が決まったらそれに向けての投資には躊躇しない、失敗も絡め取って次につなげていくというタイプです。でもこれは、教師としては特異な存在で、多くの教師は「いのちをだいじに」「…

理数って?

教育界は多くの方がいわゆる文系の方で占められていて、大抵が文系よりの視点で書かれています。一方、いわゆる理系という方は、「ITすごいぜ!」か「こんな授業・実験で興味が持てる!」という方向性に向かう方が多いような気がします。もちろん、これらは…

僕ができること

年齢を重ねるにしたがって、だんだん自分のできることできないことがよく見えてくるようになりました。自分の力を正確に見極めることができるようになったというでしょうか。若い頃はもっと自己有能感に溢れていたような気がするのですが、どうも年齢を重ね…