子どもは馬鹿じゃない

これは特に幼稚園教諭や小学校教諭が大切にしなければならないことです。
 
よく子どもに「○組は早いね」とか「○○さん、手の上げ方が上手だね」「女子はちゃんと整列できて偉いね」とか言いませんか?全校集会や行事などでよく使う方法ですよね。でも僕は「大嫌い」です。というか不愉快です。
 
よく出来ている子どもをほめると周りの子どもがそれをまねします。それを利用して、全体の統制をとる方法です。でもそれに従う子どもはなぜ従うのでしょう? 考えてみてください。分かりますよね。
 
「先生にほめられたいから」です。
 
そこには子どもによる行動のコントロールがありません。小さい子どもは単純に先生にほめられたくて、その行動を模範します。でもそれが効力を発揮できるのは、何年生くらいでしょうか? せいぜい4年生ですよね。5年生くらいになってくると、ちょいと賢い子どもたちは「うぜぇ」となります。賢い子どもたちです。これは女の子もね。態度にださないけど。
 
もし、こうした言葉に従う高学年の子どもがいたとしたらそれは心がとても幼いということです。それはそれでとても不幸なことだと言えます。子どもにはなぜ素早く動かなければならないのか、なぜそうしなければならないのかきちんと納得させていくことが必要なのです。もしも納得させられるような話しが出来ないのであれば、それを子どもに強制するのは止めた方がよいということなのです。
 
僕は全校集会が体育館で行われるときも子どもたちは並んでは行きません。僕は子どもを大人に成長しつつある人間だと思っているからです。僕ら教師が体育館に集合をかけられたら、道中の先生とは話しをしながら向かうことでしょう。ですから僕は体育館に行くときにできるだけ静かに歩くようには言いますが、無言で行きなさいとは言いません。でも体育館では会の準備が行われているから話しをするべきでないことを話します。そして子どもは僕が何も言わなくても話しはしません。
 
以前に話しをしたように子どもたちと合意が出来ていれば、それほど子どもを操ろうとしなくても、子どもはきちんと動きます(もちろん時々は失敗もするけど) 子どもとの合意が出来ていないからこそ、上記のようなこざかしい操作をすることになるのです。
 
これについては「ほめて伸ばす」ということと全く違うのです。だって管理職がある特定の先生の取り組みほめてばかりいて「みなさんもこのように!」なんて言われたら僕は腐りますもん。