特別支援教育 その2

しばらく続きを書いていませんでした。第2弾。

◯閉じ込められる子ども
特別支援教育は「その子どもの特性に合った教育を特別に行う」ためのものです。知的な問題で授業についていけない子ども、情緒の問題で教室環境にうまく適応できない子どもについて、通常学級を離れ、落ち着いた少人数教育の中で授業を行うというものです。しかし、現状の多くの学校ではその子どもの特性に合わせた教育を行うためのものではなく、通常学級から引き離すことが大きな目的になっているように思えます。特別支援学校ではない通常の公立学校では、本来ならば交流の時間を基盤とし、どうしても個別に指導しなければならないことを特別支援教室の中で行うべきです。ところが、多くの子どもは1日の殆どの時間を特別支援教室の中で過ごします。
これは以前書いたように、小学校では低学年から「学力がとてつもなく低い」「クラスの中で周りの子どもとのトラブルが絶えない」などの理由から教室から離れた子どもだからです。授業についてこられない、周りの子とトラブルを起こす子どもととらえられているのですから、例え交流しても「お客さん扱い」になっていきます。日程の調整も特別支援の先生が通常学級の先生にお伺いを立てるというような、謙った関係になってしまうのが一般的です。特別支援の教師はこうした「気を使った交流」にとても疲れてしまうものです。
ですから、特別支援の子どもは学校内でトラブルなく、そして誰にも迷惑をかけないで生活することが一番の目標になっていくのです。公立学校における特別支援の子どもは「閉じ込められていく」のです。そもそも「交流」という言葉自体が、特別支援の子どもの状況(立場)を表しているのだと思います。