量子力学と教育

「シュレディンガーの猫」を知っているでしょうか。放射線を感知すると毒ガスを発生させる装置の入った箱に猫と放射性物質を入れる。放射性物質は1時間で半減期を向かえるが、それがいつやってくるか分からない。1時間後、箱の中の猫は生きているのか死ん…

特別支援教育 その2

しばらく続きを書いていませんでした。第2弾。◯閉じ込められる子ども 特別支援教育は「その子どもの特性に合った教育を特別に行う」ためのものです。知的な問題で授業についていけない子ども、情緒の問題で教室環境にうまく適応できない子どもについて、通…

子どものトラブルには首を突っ込まない

何度か書いたけどもう一度。 僕は1年生であろうとも子どものトラブルには余程のことがない限り組を突っ込みません。(余程というのは怪我をして医療機関にかかるなどすぐに保護者に連絡しなければならないようなことね) どうしているかというと「そんなの…

小学校の学習のレベルを押し下げている原因とは? その1

僕は小学校の学力を押し下げている最大の原因は何かと言われたら「単元テスト」だと僕は答えます。 例えば国語のテスト 「・・・風がどうどうふきました・・・」 Q風はどうふきましたか? A「どうどうふきました」 このレベルの問いは1年生だけではなく、6…

小学校の学習のレベルを押し下げている原因とは? その2

小学校のタブー(この問題は多くの教師が口をつぐんでいるのだけど)に切り込みます。 この問題には教師側の問題、そして教材会社側の問題と2つの側面があります。まずは教師側の問題点から。 教師はテストで多くの子どもが高得点を取らせることを最大の目…

小学校の学習のレベルを押し下げている原因とは? その3

もう一つの側面、教材会社から見てみます。教材会社は「売れる」ことが正義です。教師のニーズを汲み取り、それはそれは丁寧に、そして分かりやすく、効率よく(例えば算数の図形採点用の透明シートなど)作成しています。まさに痒いところ全てに手が届くよ…

小学校の学習のレベルを押し下げている原因とは? その4(最終)

この話は教師も、教材会社もとても耳が痛い問題だと思います。でも、日本が経済的に成熟した今、これからの日本は社会的精神的な成熟を迎えていかなければなりません。こんなテストをやっても何一つ子どもの成長には役立たないと思うのが僕の考えです。 僕は…

特別支援教育

近ごろfacebookばかりでブログが疎かになっていましたが、久しぶりに書きます。今の僕の「裏の仕事」は、特別支援教育関連です。なぜ僕が特別支援教育に着目するのかというと学校の諸問題はこの特別支援教育(学級)に集約されるからです。この「闇」を明ら…

教師が学ぶべきこと(ある方にじっくりと話したこと)

「あなたは学んでいますか?」今は全国でたくさんの講座やセミナーが開催されています。子どもの学び方から、学級づくり、教育理論から、目指すべき教育の方向性などなど、とても多様です。そうしたところで学ぶことはとても大事なこと。 でもね。あなたは自…

カリキュラム・マネジメント講座

カリ・マネの本を出版するとすぐにHさんが声をかけてくださり、昨日地元郡山市で最初の講座を行うことができました。実は僕は自分の基盤となっている県内の先生方や郡山市の先生方に「いち早くカリ・マネの技術を伝えたい」という思いがありましたので、県内…

『学び合い』について

昨年、今年と2年『学び合い』フォーラムに参加させていただきました。この5年ほど距離をおいていた僕も、多くの方々にお会いでき、またそうした方々が素晴らしい活躍をしていることに嬉しく思いました。ここで改めて『学び合い』について僕の思うところを…

学びのカリキュラム・マネジメント

これまでの「予告」は拙著「学びのカリキュラム・マネジメント」の内容に合わせて問いかけたものでした。 私たちは新しい実践というと、これまでなかったものを新しく作り出す、取り入れるようなイメージを持っていることが多いように思います。しかし、新し…

予告第1弾

さて「究極の授業」とはなんでしょう? 僕の考える究極は「教科の解体」です。そもそも教科というのは教える側に立った者が教えやすくするためにカテゴリー分けをしたものにすぎません。ではどんな授業が理想なのか、僕はこのことについて20年以上ずっと考…

予告第2弾

震災前、僕の授業を参観に来たある大学教授に徹底的な批判を受けました。最初は僕もムキになって反論していたのですが、彼が「『ではどうそ!』で子どもが学ぶようにならば教師なんていらない。そこらのおっちゃんでもいいはずだ。」という話を聞いて「ああ…

予告第3弾

教育書の多くは教師側から見た子どもの世界です。では子どもは一体どのように授業を見ているのでしょう。みゆき会では、震災時にこども未来会議を開き、子どもが教師や親(保護者)に何を求めたいか、どのように学びたいのか話し合いました。 僕らの実践は常…

予告第4弾

算数の教科担任制をやってみてびっくりしたのは、可能な限り毎日のように算数の授業をやっているのにも関わらず、3月までの時数が不足気味になったことです。中学校の教師には信じられないかもしれませんが、小学校の教師は時数がどんぶり勘定なのです。運…

予告第5弾

車好きで僕の年代の方なら「よろしくメカドック」という漫画をご存知かと思います。1980年台に少年ジャンプに掲載されたチューニングショップの風見準の物語です。0−400などが有名になったのはこの漫画の役割が大きいかと思います。 この漫画の最終…

予告第6弾

みなさんは「カリキュラム・マネジメント」という言葉を知っていますでしょうか? 現場の多くの教師は、まだこの言葉を知らないと思います。 「カリ・マネ」には、3つの意味合いがあります。 1つ目はPDCAサイクルによるカリキュラムの適切な評価と推進。 …

予告第7弾

僕が中学2年生の理科の授業も受け持った時、生徒が「理科が分からない」という障壁を見つけました。それは小学校の算数と強く関連している内容です。小学校の算数でも多くの苦手意識を持っているのですから、関連する中学校の理科で躓くのは当然なことと言…

そろそろ再起動しようと思います

Facebookに主軸をおいているのでブログを1年ほど休眠しておりましたが、少しずつまた書き出していきたいと思います。

『学び合い』を学ぶということ

僕は今は『学び合い』を看板に掲げている教師ではないのですが先日フォーラムにお呼びいただいたのでお礼に何か参考になることでもと思い、ちょいと書きます。 フォーラムの分科会を全て覗いたわけではないのですが、分科会が多様であってとても良かったです…

潮流を感じた2日

『学び合い』のフォーラムに行ってきました。実は初めての参加です。昨年のみゆき会で、Iさんに半分冗談で「『学び合い』のフォーラムも、みゆき会のブースを設けてくれるような心の広さが欲しいよね。」と話をしたら、今年はきちんと場を設けてくださり、会…

インタラクティブカリキュラムの特性とは

小学校の学級担任性が中学校の教科担任制に比べて優れているのは、子どもへのケアだけではありません。 学級担任であるということは学習の垂直方向の力が弱い(つまり教材研究の力が弱い)反面、水平面で学習を捉える・統合する力が強いと言えます。インタラ…

教科担任制のデメリット また

前回は小学校における教科担任制の現状と問題点について書きました。 今回は小学校であるがゆえの問題点について。 そもそも小学校ではなぜ学級担任制なのでしょうか? その最大の利点は「1日を通して子どもの状態をつかめる」ということです。小学生にもな…

やっぱり授業

本校では特別活動という切り口からも「子どもの自立」へのアプローチに取り組んでいます。具体的には早稲田大学の田中博之さんのレーダーチャートの活用を導入しています。こうした取り組みも学校の中でとても大切なことと思い全クラスで取り組んでいるわけ…

教科担任制のデメリット

小学校の教科担任制。実は極端に教科が偏っています。教科担任制(小学校でいう分科の授業)の多くは理科や音楽、図工です。逆に算数、国語、社会、体育ではそれほど多く行われません。これにはいくつか理由が存在します。そこを掘り下げながら、まずは現状…

とける学び

「とける学び」最近はそんなことを考えています。インフルエンザ香港Aは、100年ほど前の新型インフルエンザであり、世界中で猛威をふるい、数千万人の人が亡くなりました。第1次世界大戦が終了するきっかけにもなったと言われています。お盆に母の実家の…

教科担任制3ヶ月の振り返り その3

なぜ小学校での学級担任制を増やしたほうがよいのか? 今回は別の視点から切り込みます。 僕らの世代が採用された時代、平成4年ごろは市内の大規模校は児童数が軒並み1000人ほどおりました。当時は40人学級(現在の福島県は33人が最大人数です)し…

教科担任制2ヶ月の振り返り その2

ずいぶん間が空いてしまいましたが続き「うまくいくための仕掛け」について 教科担任制を専科で行うというシステムを考え出したと同時に、あることを仕掛けようと考えていました。それは「専用教室」です。中学校ですと「移動型」ですね。つまり「特別感」を…

教科担任制2ヶ月間の振り返り その1

算数の教科担任制から2ヶ月間が過ぎました。ここまでを振り返ります。約2ヶ月間の脳内シミュレーションを経てからの算数教科担任制のシステムは、極めて順調です。ほぼ僕の予想どおりにカリキュラムは進行しています。各学校で僕の学校のような規模、児童…