教科担任制3週間

教科担任制を3週間が過ぎました。この間、全国学力テストの準備や実施、振り返りなどを入れてもまだ時数には余裕があり、そして子どもたちも意欲的です。その秘密はいくつかの「しかけ」を準備しているからです。
 
教科担任制にすれば学力が上がるなんていうのは「幻想」で、中学校の数学免許を持っているとか、研究しているとか、そうしたことが子どもの学びに直結するわけではありません。下手するとより一方的な学習展開になり、折角の教科担任制に対して子どもたちが幻滅してしまいかねません。そこで僕は幾つかの「しかけ」をこの教科担任制に盛り込んでいます。
 
その一つは、もちろん「協働学習」です。ただ協働学習が本格的に機能するにはそれなりの時間がかかります。昨年持ったクラスは、当然のごとく僕が何かいう前にかってに学び合っているのですが、一方で他のクラスでは一人で一生懸命に考えようとしています。こうしたクラスが、主体的に学べるようになるには、僕は半年はかかると踏んでいます。ですから無理に学び合わせることはせず、子どもが「学び合ったほうがよく分かるようになる」と実感できるまで、ゆっくりと授業していこうと考えています。
 
二つ目のしかけは「予習先行型授業」です。別に本格的に反転学習をしようとしてるわけではありません。明日、そしてこれから自分はどんなことを勉強するのか、教科書を読んでみる、教科書の問題を解いてみるといった簡単なことです。でも何を勉強するのか、自分は何が分からないのかを事前に分かっているだけで、授業の集中も、意欲も、関心も違うものです。子どもたちがちょっとした予習をしてくるだけで、授業のスピードは1.2倍〜1.5倍程度にスピードアップします。今後は学力下位の子どもでも予習しやすい(予習の最大の問題は学力下位の子どもが手を出しにくいこと)ように、放課後の学習部で支援していきます。
 
3つ目のしかけは「ノート」を作り。これまでのインタラクティブカリキュラムとは別に3〜4年ほどノウハウを蓄積してきました。教科担任制になった今こそ、これを発揮するべき段階になりました。そのノートの秘密は「メタ認知」にあります。今も試行錯誤を重ねながら、子どもが学ぶ自分を客観視し、学習の状況を自分自身でモニタリングできることをめざしています。この取り組みは、僕の提案で近隣の2つの小学校と進学先の中学校にも派生させていくことが決まっています。今先行して行っている算数のノートは、周りの1000人以上の子どものモデルとなっていくことでしょう。
 
最後のしかけは、上位の子どもをフルパワーで学ばせるということです。私たちはどうしても下位の子どもたちに気を取られ、上位の子どもを待たせます。でも上位の子どもは上位なのですから、もっともっと難しい学習を行いたいのです。ですから、もっと難しい内容を準備してやらせてあげればいいのです。そうなれば、僕も下位の子どもを十分にケアできる時間ができます。
 
こんな感じで教科担任制は進んおります!