システム

実は公立における全国初の小中一貫校は郡山市にある学校です。僕はその立ち上げに関わっていましたし、開校の時の6学年担任、そして教務を兼任していました。開校時には毎日のように全国から視察が来校しておりました。小学校における教科担任制の可能性が考えらえていたので、僕のスラスで言えば、僕は算数(僕はT2)、理科、道徳、学活、総合くらいしか子どもと接する時間がなく、下手すると朝挨拶してお昼まで子どもとは顔を合わせないこともありました。子どもたちは統合までひとクラス最大10名くらいで担任と濃密な時間を過ごしてきたものですから、5校が合併すること、この極端なシステムの変更は不安を大きくしました。それ以上に混乱していたのは実は僕です。それまでかなりの修羅場を乗り越えてきたので、実は結構自信がありました。ところが、実際には僕にはまだ力がなく、小中一貫校という新しいシステムを十分にいかせていなかったのです。おそらく今ならかなり斬新で革新的なシステムを組むことができるでしょう。でも当時の僕にはその力は正直ありませんでした。その力不足を力ずくで乗り越えようとがんばり、その結果、卒業式の翌日には入院となりました(笑)しかし、この学校での2年間で僕はとても多くのことを学びました。中学校の教師像、仕事の仕組み、時間割編成、生徒指導の機能、これらは今の僕の原資となっています。
話は本題に入ります、今改めて小学校のシステムを眺めてみると時代に噛み合わなくなり、疲弊していることが見えてきます。多くの管理職は従来のシステムに合わせて、教員や教育課程を配置、設定していくのですが、うまくいくきません。もちろん、どんな方法でもうまくいく方法などないのですが、何かつまずくような出来事が起こると、それを軌道修正するような余力もなく、最終的には教師の配置換えで対応していくことになります。
今の小学校には中学校のよさ(まあ一般に言われているようなことではございません)が必要だし、逆に中学校には小学校のよさを取り入れていく必要が有ります。さらに、従来の学校観、指導観、子ども観の見直しも合わせて必要になってきているのです。そうした時代に突入してきているのだという教師の意識の変革が必要なのです。それが顕著なのは、多くの学校で「上履きを揃えることが大事」「よい姿勢で手をまっすぐあげることが大事」「ノートの書き方を揃えることが大事」「表に書いてある決められた声の大きさで発表することが大事」こうしたことが声高に叫ばれていること自体が、すでに学校のシステムが末期的な状況を示しているということなのです。「日本の技術はここがすごい!」なんて番組ばかりが放映されているのと同じです。
僕らの世代は新しいシステム作りにチャレンジしていかなければならない。僕が30代では太刀打ちできなあったように、若い世代では統合的にシステムを組むことは極めて難しい。でもこうしたことを乗り越えてきた僕らの世代ならそれができるかもしれない。僕がこれからチャレンジしていかなければならないことなのです。