やっぱり授業

本校では特別活動という切り口からも「子どもの自立」へのアプローチに取り組んでいます。具体的には早稲田大学の田中博之さんのレーダーチャートの活用を導入しています。こうした取り組みも学校の中でとても大切なことと思い全クラスで取り組んでいるわけですが、それで全てを解決できるわけではありません。効力としては全体の10分の1にも満たないことでしょう。では子どもを自立させていくためのマックスファクターは何でしょう?
 
もちろん授業です。僕は単純に学習内容の習得や習熟とは別に、教科教育の学習は子どもの心の成長にも極めて大きな影響を与えていると考えています。今年は教科担任制ですから、1クラスあたり最大でも週5時間、1日で1時間となります。それでもその1時間で子どもの関係性を崩し、再構築させていくことができます。
 
「え〜〜〜〜、算数なんてわかんな〜〜い」「算数面倒くせ〜」という子ども、人間関係が取れないでトラブルを起こす子ども、集団でグダグダ遊んでいる子ども、教科担任制でこうした子どもをどう軌道修正させていくかが僕の挑戦でもあります。単純に算数をしっかり分からせるというならば、教科担任制なんて特に難しさはありません。その基盤となる子どもの自立を形作りながら授業を組み立てていくことが難しさなのです。それでも毎日授業の時間を持てるということは、子どもの動きにある一定の変化をもたらします。1学期が終了して、子どもに変化が生まれてきました。正確に言うと、僕の対応が最適化してきたとも言えます。
 
授業というのは、教師の姿そのものが投影されていきます。何を考えているか、子どもをどう見ているか、子どもたちをどう成長させたいか。授業は1日に5〜6時間もかけて、しかも小学校の場合にはその大部分が一人の教師が。それらをずっと浴び続けた姿が子どもたちの全体像なのです。僕らは教育哲学を持つべきなのです。私は何のために子どもたちの前で授業をしているのか。あなたは何のための授業をやっているのでしょうか。子どもは何のための勉強するのでしょうか。