小学校の学習のレベルを押し下げている原因とは? その3

もう一つの側面、教材会社から見てみます。教材会社は「売れる」ことが正義です。教師のニーズを汲み取り、それはそれは丁寧に、そして分かりやすく、効率よく(例えば算数の図形採点用の透明シートなど)作成しています。まさに痒いところ全てに手が届くような。ですから、教材会社は子どもの学力をどう伸ばすか、どう学力を測るべきかいう視点はなく、あくまで採用する教師サイドのニーズに答えることこそが正義なのです。ですから各教材会社の取り柄は内容なのではなく「キャラクター」勝負になってしまっているのです。ぶっちゃけていうならば、どこの教材会社のテストを採用してもほとんど内容は同じなのです。ですから「おまけ(答案やプレテスト)」に力を入れることになるわけです。
また、これからの学習に応じたテストを作成できる人材もいないのだと思います。では、今のテストに変えてどんなテストを作成すれば良いか、そのビジョンを描ける人材はそうはいません。さらに、もし授業の内容に合わせ、子どもの学力を正確に図ろうとするテストを作れたとしてどうなるでしょうか? 恐らく全く売れないことでしょうね。「そんなめんどくさいテストなんて使いたくない」これが教師の本音ですから。教材会社もそれが分かっているから、何十年もテストの内容が変わらないままなのです。