3つの力

今日は、これまでの取り組みを振り返り、その効果を計る意味もあり、ずっと子どもを観察することに集中して、授業を行いました。ずっと子どもを観察することで、心の状態、特性、関わり、集中などなどをモニタリングできます。そうすることで、これまの自分…

医師と教師

最近、群馬大学を発端とした医療事故が、メディアをにぎわせています。内部の詳しい内容は僕には分かりようがありません。でもこの医療事故は、私たち教師にとって無関係なことでしょうか? 僕には他人事とは思えません。医師は人の命を預かり、教師は人の成…

教科担任制3週間

教科担任制を3週間が過ぎました。この間、全国学力テストの準備や実施、振り返りなどを入れてもまだ時数には余裕があり、そして子どもたちも意欲的です。その秘密はいくつかの「しかけ」を準備しているからです。 教科担任制にすれば学力が上がるなんていう…

教科担任制 最終 本丸

今年度から始まった教科担任制は、主に高学年で教科担任制の効果を試すものです。しかし、僕の最終的な狙いはそこにあるわけではありません。僕がなぜ膨大な時間をかけ、本校の独自の教科担任制システムを構築したのかというと、それは学校全体の授業の活力…

教科担任制その4

今文科省では、633制というしばりを小中・中高一貫校を通して緩めようとしています。僕も改めて小学校の現状を考えた時に、こうした考え方は必要なのではないかと感じます。小学校の高学年ではこれまでお話ししてきたようなデメリットが際立ってきますが…

教科担任制その5

教科担任制を実施するにあたって、ひとつ仕掛けを作りました。それは「場」づくりです。子どもが授業するとき、場というものはとても重要です。僕の作る場は僕の距離感や雰囲気、子どもがどこにどのように座るのか、それらこまかなことをすべて合わせて「僕…

教科担任制その3

もう少し小学校のシステムの限界についてお話しします。 小学校は学級担任制であるからこそ、きめ細やかに、時系列で子どもを見とることができます。しかし、そのデメリットもあります。もっとも大きなデメリットは実は「授業」なのです。授業とは言ってもた…

教科担任制その2

教科担任制のことを話す前に、まず現在の小学校のシステムの限界について少しばかり話したいと思います。全国どこでも小学校の場合、高学年(つまり5・6年生)の担任を希望する人がほとんどいません。ですから、高学年の「指導」を比較的得意とする先生が…

教科担任制

僕はこれまで小学校での教科担任制には大反対でした。「小学校でも教科担任制にすればいい」という発想は「専門性が高いほどよい授業ができる、子どもがわかるようになる」というとても幼稚な発想から生まれます。もちろん専門性がなくていいという意味では…

担任やめました

1年半ほど前 岩瀬直樹さんから「坂ちゃんの本当にやりたいことってカリキュラムなの?」 石川晋さんから「坂内さんはこれから何をしたいの?」 そう言われた時から僕は僕の中に芽生えてきている「存在」に気がつき始めました。インタラクティブカリキュラム…

システム

実は公立における全国初の小中一貫校は郡山市にある学校です。僕はその立ち上げに関わっていましたし、開校の時の6学年担任、そして教務を兼任していました。開校時には毎日のように全国から視察が来校しておりました。小学校における教科担任制の可能性が…

積分する学び

子どもは自分の現在地が分かりません。上りなのか下りなのか、その坂がどれほどのものなのか。我々大人はこれまでの経験があるゆえに比べることができますが、子どもにはその比較すべき経験がないのです。 面白い授業は「点」として子どもの意欲を引き出しま…

おすすめです(PTAの話)

以前、Facebookでちょっと紹介したのですがPTAをけっこうラクにたのしくする本作者: 大塚玲子出版社/メーカー: 太郎次郎社エディタス発売日: 2014/05/30メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る大塚玲子さんのこの本、とてもよく…

模索

ドラクエの作戦でいうと僕は「ガンガンいこうぜ」のタイプです。ある方向性が決まったらそれに向けての投資には躊躇しない、失敗も絡め取って次につなげていくというタイプです。でもこれは、教師としては特異な存在で、多くの教師は「いのちをだいじに」「…

理数って?

教育界は多くの方がいわゆる文系の方で占められていて、大抵が文系よりの視点で書かれています。一方、いわゆる理系という方は、「ITすごいぜ!」か「こんな授業・実験で興味が持てる!」という方向性に向かう方が多いような気がします。もちろん、これらは…

僕ができること

年齢を重ねるにしたがって、だんだん自分のできることできないことがよく見えてくるようになりました。自分の力を正確に見極めることができるようになったというでしょうか。若い頃はもっと自己有能感に溢れていたような気がするのですが、どうも年齢を重ね…

授業参観

今日は授業参観でした。 以前勤務していたある小学校では授業参観前に簡単な授業の流れを作り、それを管理職にチェックしてもらう必要がありました。また、その指導案は、全員保護者に印刷して配布してました。そのチェックで2度ほど「却下」された授業案が…

朋有り遠方より来る

この3年ほど僕のクラスの公開を封印してきました。 正確には市内に向けて授業公開を数回は行っているのですが、 それは授業として切り取った「部分」であり僕のクラスの「像」ではありません。 今日、6年ぶりに遠方よりある中学校の先生が訪ねて来てくださ…

すごい人!

僕は基本的に若い人に対して「下」とか「未熟」という感覚を持っていません。 若さと経験はトレードオフの関係にあり、若い頃の爆発的な発想力を今の僕は持ち合わせていません。その代わりに経験が豊富になり、物事の因果が見えるようになってきました。 だ…

子どもっぽさ

先日、中学校の公開を参観しました。 授業は少し賑やかな男の子たちの理科の授業。 でも授業をされた先生は、うまく子どもの言葉を捉え、つなぎ合わせ、そして無視(これも大事ね)しながら、授業をうまく紡いでいきました。授業の手法としては色々と課題は…

「教育する」とは何か?

私たち教師は、退職するまで「教育する」ということの意味を考え続けていかなければならない職業です。それが使命なのです。 例えば「宿泊学習をする」という時に、そこでどんな子どもの成長をめざすのか考えていくことが一番大事なのです。その軸がぶれなけ…

インフレーション

ヒットした映画は、しばしシリーズ化されます。◯◯◯2と◯◯◯3といかいうように。そして、どんどん過激になっていきます。例えばアイアンマン3なんて、アーマードスーツが10体以上でてきて、最後には大合戦です。このように「どんどん派手に、過激に、そし…

40人学級の何が問題か?

財務省の「40人学級に」という話はもちろんそんなことになるはずがないのですが、学校の少人数化を促進させるには、大きな「くさび」となりました。そもそも40人学級の何が問題のでしょうか? 実は35人学級と40人学級では大きく違うのです。多くの人…

何のため?

最近ブログを書けなかったのは、行事が錯綜していて勤務時間が大幅に長くなっていたためです。 その中でも宿泊学習は最も時間のかかる学校行事でした。今回、宿泊学習を実施して改めて教師として考えなければならないことがたくさんありましたので、ここで…

叱る

僕はよく子どもを厳しく叱っていました。忘れ物をした子、友達にひどいことをした子など、強く厳しく叱ることで、それを繰り返さないようにと。でもある飲み会の時に、某大学教授が「忘れ物をした子どもを叱っても、何にもメリットなんてないよ。」そんな一…

下りる

この話は、教師に取ってものすごく重要かつ、ものすごく興味深い話だと思います。この7〜8年の蓄積で、確定的に言える話です。 小学校でも高学年になっても、かけ算、わり算がろくすっぽできない子どもが1割程度いると思います。これだけの学力差がある場…

教師とは?

教育というものは政治やイデオロギーからもっとも切り離されるべきもので、理由は言うまでもなく、その対象が子どもであるからです。こうした政治的なものや世論からも中立であると同時に教師は「自立的」であることも要求されます。 69年前の出来事を考え…

内省する力

生意気かもしれないけど、僕は僕の「目(舌)」を絶対的に信じています。 僕は毎日授業をし、それを内省しながら分析してきたからです。 その実践量は「たまに」とか「時々」とかではなく「毎日」です。 それも一日中。 この膨大な蓄積から導かれることは、…

抱え込むということ

外食でチェーン店に行くと「これでもか」というくらい丁寧なサービスで対応してくれます。 とても素晴らしいことではあるのだけど、肝心の味は「まあ、チェーン店だな」というものです。 サービスをすることに力を入れるなら、水なんて自分で組むから、素材…

郡山市の放射線の近況

久しぶりに郡山市の状況を。 旧市内(つまり街中ね)の6〜7割は除染が終了していますが、未だに僕のマンションには到達していません(まあ、かなり初期に除染したので建物自体の線量はかなり低いんだけど) 除染は極めて丁寧です。除染をすることによって…