小学校の学習のレベルを押し下げている原因とは? その4(最終)

この話は教師も、教材会社もとても耳が痛い問題だと思います。でも、日本が経済的に成熟した今、これからの日本は社会的精神的な成熟を迎えていかなければなりません。こんなテストをやっても何一つ子どもの成長には役立たないと思うのが僕の考えです。
僕はテストの平均点は50点位でよいのではないかと考えます。それは決して発展的な問題を出すというのではなく、「丁寧な良質の問題」を多くするということです。例えば算数では、線分図に書き表すとか、問題文の内容を表す図をかくとか。国語であるなら、登場人物の心の揺れ動きを読み取るような設問です。
そしてテストは成績を付けるためのものではなく、分からないことをあぶり出し、再度学び直すためのものであるべきです。ですから「分からなかったこと」を楽しむ子どもに育てていくのが正解です。いちいちテストが良かったとか悪かったとか、平均何点とか、そんなのどうでもいいことです。分からなかったら分かるように学び直せばいいのですから。
こうした子どもの学びに合わせたテストを作っても今は全く売れません。でもこうしたテストを求めるようになるくらい、教師自身が学力を上げることが大事なのです。
ちなみに僕が担任時代は、この単元テストは全て「知識理解」だけの成績としていました。だってカリマネの技術があるので、成績なんていくらでもつけられるわけです。そして成績は学校で僕が圧倒的に厳しいのです。だって「ちゃんとつけている」からね。