「子ども未来会議」が開催されます

パナソニック教育財団助成研究の一環として下記の日程で子ども未来会議を仙台市体育館で行います。

開催日
平成23年11月19日 場所:仙台市体育館 研修室
時間13:00~16:15(予定)
http://www.spf-sendai.jp/sisetsu/gym/shi-gym.html

○目的
子どもは自らの学習を切り開き、深めるためには教師の力だけでな​く、子ども同士で情報を交換し合い、共有化していくことが必要で​す。そのために多くの学校・教室とネットを通して日常的に学習の様子を理解し合う​ことが大事です。しかし、ネットを通しての関わり合いだけでは​、十分に子どもたちの様子や考えを共有し合うことができないとこ​ろもあります。そこで子どもたちの代表者が集い、自らの授業を説明し、共有しあっ​た内容をクラスにフィードバックしていくために子ども未来会議を​開催します。
 
○基本タイムテーブル(変更有)
13:00〜13:30 開会 各学校・自己紹介
13:30〜14:30 各学校の学習紹介
14:30〜14:45 休憩
14:45〜16:00 子ども未来会議
16:00〜16:15 閉会
 
※学校紹介では東北の小学校が中心になるのでそれぞれの被災状況​や今の学習状況について紹介する。
※ 子ども未来会議はこれからの自分たちの学習についてどんな学​習をして行くべきか話し合う。
 
まだ旅費については余裕があります。この会議に子どもたちを参加させてみたいという方がおられれば、今週中に連絡をください。申し訳ありませんが、プロジェクトグループの教師を除いて、教師だけで参加してみたいという方の旅費を出すことができません。学級の子どもと一緒にという場合には可能な限りねん出したいと思います。

子ども未来プロジェクト その効力 

パナソニック教育財団の研究助成で推進されている子ども未来プロジェクトですが、準備が整い2学期から本格的に稼働しました。
 
予想(かなり大げさな)していたこと以上の効力が見えてきています。子どもの個人情報保護と保護者との取り決めのためにオープンにはできませんが、子どもと子どもとをダイレクトにつなぐことは、劇的な意識の変化をもたらします。
 
教室という箱に閉じ込められ、よそが見えない子どもたちがその教室には実は「穴」があって、のぞきこむと同じような箱で違う勉強をしている子どもがいるんですもの、びっくりしますよね。
 
チームはともに同じ目標に向かうライバルがあってこそ、その結束力が高まります。そういう意味では仲間は非常に大切なものです。
 
スタンドアローンで「学び合い」を実践している先生方へ
どうぞ、子どもを開放してみてください。新しい世界が広がると思いますよ。

お金は大事

お金のこと。
 
これまで「いろいろお話をしていただきたい」と言われてきたことがありますが、お話をすることそのものでお金を頂くことはずっと遠慮してきました。だってできるだけお金なんてかけない方がいいんじゃない? って考えてきたからです。でもこれは間違っているなと最近思い始めています。話をすることできちんとお金をもらうことははらう方にも大事なんですよね。
 
無料で話を聞くと「どうせ無料だから」「いい話が聞ければもうけもん」という向き方にどうしてもなってしまいます。でもお金を出せばそうはいきませんよね。ちゃんとお金に見合った向き方をします。これは旅行に置き換えれば分かりやすいですよね。
 
また研究するにもやっぱりお金は大事です。今年はパナソニック教育財団様のおかげで今までやれなかったことがやれています。これを個人でやろうとすれば一人当たり10万円近くの出費になります。
 
教育は原則無料であるべきと考えてきたのですが、それを貫いてもいいことがないことに気がつきました。無料であることが自分の質をも落とすんですよね。
 
だから子どもたちには「お金を呼び込める位の実践をしよう」とよく言います。質の高い実践をすれば必ずそれを支援してくれる人々が出てきます。そのお金で自分たちがやりたいことを実現していこうと話します。
政府が悪い・行政が悪い・東京電力が悪いで終わるのではなく、そこがだめなら自分たちが変えちゃおう!という未来です。
 
その子どもに実践は人を呼び込めるレベルに達してきています。子どもの作文を読んで、毎日小学生新聞社から取材が入りました。明日は、毎日小学生新聞に本クラスの子どもの作文と様子が掲載されると思います。おそらく1面に。この「子どもたちの力」が呼びかけたらきっと大人もお金も動くことでしょう。
 
私もある出版社でお話をする場を設けていただきました。今回はきちんとお金を頂こうと思います。そして、子どもに言っているように「お金を出してちっとも惜しくなかった」と言えるような話をしてみたいと思います。
 

連携するということ

パナソニック財団助成の研究の本格的にな稼働に向けてさまざまなテストが行われています。
  
skypefacetimeustreamなどで教室と教室を結んでいます。私の教室にはこっそりとプロジェクターテレビが持ち込まれ、ipad2を通して画面に国内外の様々な教室が写し出されています。私は「どこでもドア」と呼んでいます。
 
このプロジェクトはこれまでに何度か書いたように既存の「在り方」に穴を開けるための取り組みでもあります。同質の考え方や同質の取り組みの中にあると、異質なものを受け入れなくなる、または自分の取り組みこそが最善のものだと思ってしまう状態に陥ります。これはこれまでの全ての研究がそうであったように。これは「学び合い」にしても同じ道を歩む可能性があります。
 
授業とは誰のためのものなのか考えれば分かります。教師の浅はかな知恵の中で踊らされ、その中で子どもたちが満足させられているような状況でよいといえるでしょうか?
 
この震災で私は確信しました。これまで「学校」や「市町村」「都道府県」「国」といったフレームがもはや教育の思想を司るものではないではないことを。もちろん学びの「場」というフレーム、すなわち「學」という文字が示すとおりに子どもが壁の中で学ぶ場として学校が必要なだけでなのです。
 
そうしなければ、校長が替わる度に、主力になる教師がいなくなる度にコロコロと授業の形態が変わります。大抵次の校長や他校から来た新しい研修主任はこれまでの教育方針を否定的に見て方針を転換していくものです。
 
こんな馬鹿なことを続けている時間は日本にはありません。ですから既存のフレームを子どもと保護者の側から崩していこうとするのがこの研究の本質なのです。実際に子ども未来会議に向けて自費でもいいから仙台に子どもと自分が行ってみたいという方もおられます。
 
facebookには膨大な量の実践状況が集まりつつあります。これらにまもなく動画も乗せられてくることでしょう。そして2学期からはリアルタイムで教室と教室とを結び、子どもの学びと学びが共有化されていきます。
 
子どものレポート・作品もPDF化され、共有化されていきます。我々の取り組みは「連携する」ではなく、「共有化する」取り組みと言うべきかもしれませんね。
 
この取り組みの大きな山場は、11月に開催される予定の「子ども未来会議」になると思います。詳細が決定したらお知らせします。

子ども未来プロジェクトがまもなく始動します。

パナソニック財団からの助成を受けて研究グループによる「子ども未来プロジェクト」がいよいよ始まります。
http://www.pef.or.jp/01_jissen/05_jyoseikin/05_ceremony_h23.html
 

 
写真はipad2によるミラーリングのテストですが、このように教室と教室とを結び、子ども自らが他の学びを共有化していくことが目的です。
 
これまでよい授業研究というのは「学校」という枠組みの中で行われてきました。しかし、「学び合い」の研究グループのように、もはや学校という枠組みはなくなってきています。これまでは「どこの学校」でこんな授業をしているという情報しか分かりませんでしたが、何々県の誰々がどんなことをやっているかということが、ネットの発達で見えてくるようになりました。そしてtwitterfacebookでそうした人と簡単につながることができるようになりました。
 
しかし、旧体制の考え方はネットの効果的な活用を阻みます。(もちろんこれはこれで大事なのだけれども)情報の安全性と引き替えに帯域も内容も制限をすることでボトルネックが生まれ、学校の帯域が数Mしか生まれません。
 
このプロジェクトは、助成金で外部の回線を引き教室と教室とをつなぎます。全国・世界の教室と教室とを結びます。ここから何が生まれるでしょう?
 
この助成金には子ども未来会議の予算も盛り込まれています。開催は仙台市。夏休み〜2学期当初になると思います。ネットでつながり合うだけでなく直接つながり合うことの大切さも取り入れていきます。
 
ただ、ここで予算がつきてます。本来ならば東北の被災した学校を取り込みたいのですが…。このプロジェクト拡大の支援を日本財団にもお願いしていますがどうなるやら?
 
このプロジェクトはパナソニック財団の助成する多くの研究でも異色の存在です。いろいろと注目される取り組みだと思います。

子ども未来プロジェクト(子どもたちと子どもたちをつなぐ未来)

今週の金曜日にパナソニック教育財団の助成金交付式が行われます。
 
東日本と海外の日本人学校の先生方10名で「子どもの未来を創る会」を立ち上げ、パナソニック教育財団の研究助成を得ることができるようになりました。
 
大きくは「子ども未来会議の開催」と「教室(授業)と教室(授業)をつなぐ」ことです。
 
上記については今後も定期的に皆さんに紹介していきますし、できるだけ参加もいただければと思います。特に東北の被災地域では言うまでもありません。
 
このプロジェクト真のねらいは今の教育制度に小さいけれども穴を開けることです。いずれこの「穴」は広がり、決壊します。それにはもう少し先の未来を見なければならないかもしれません。でも小さな穴を開けてこそのものです。
 
教育における既存の「フレーム」は限界になりつつあります。それは「学校」であり、市町村であり、県や国です。今回の原発事故で分かったことは、このフレームはもう終わりにしなければならないということです。教育というものを教師と子どもと保護者と地域の手に戻すべき時が来ているのだと最近感じます。
 
小さな小さな一歩を我々は踏み出します。次の未来に向かってね。