理科社会の授業

2年前から古田さんと共同で理科と社会科の学習をどうすれば良いか練り上げてきました。ずっと授業では実験や調べたことをレポートにさせて、それを評価していましたが、レポートの書き方、構成にはばらつきがあり、これをどう改善しようかといろいろと試してきました。
 
昨年から始めているのが「クエスチョンマトリックス」を使った予習とまとめです。クエスチョンマトリックスとは、いわゆる5W1Hにそって学習の問いから問題解決を図っていくというものです。ただ小学校の高学年だといい感じでカテゴリー分けできるのですが、中学年だとその単元に合わせて柔軟に構成していく必要はあります。
 
これを導入したことで、子どものレポートが変わりました。まず、クエスチョンマトリックスを学習指導要領の内容や観点に対応させることで子どものレポートに「もれ」がなくなりました。子どもに勝手に書かせると、かなり上位の子どもでない限りは失敗します。
 
また、もう一つの特徴としては、教科書を徹底して使うということです。特に理科の先生には多いのですが「教科書を先に読んでしまうと答えが分かってしまって子どもの興味関心が薄れる」なんて言います。本当でしょうか? 私たちが研修をするときに何のことを学ぶかも分からないで興味深く学ぶことなんてできないですよね?
 
「答えを教えない」というのは極めてひどい教師のエゴです。教えると興味がわかないのなんていうのは、そのクラスが学ぶ環境になっていないからに過ぎません。教科書をよく読んでから学ぶのが基本中の基本です。分かっていても分からないのが理科なんですもの。そしてこれは社会科も同じです。どう学べば良いのか? どうように記録すれば良いのか? そんなもの教科書をよく読んでその通りにすれば、余計な仕事も減りますし、子どもを惑わせることもなくなります。
 
ですから上記のレポートを書くときも、「図書室に走る前にまずは教科書!」って声をかけて、教科書では解決できないことは何なのかを意識させています。
 
「クエスチョンマトリックス」は学習をする上での一つのブレイクスルーとなりました。ただし、これはよそから見ればテクニックに過ぎません。本当の意味で使いこなすには、子どもたちが学び合う環境であることは言うまでもありません。