教材研究

「学び合い学習は子どもが子どもに教える学習で、子どもが教えた方が分かりやすいから教師も楽でいい」
 
若い教師が学び合い学習に飛びつく裏の理由は「これ」です。表面的には子どもの主体性をなんていいながら、実際には「教える技術」や「子どもの意欲を引き出す力」や「話を聴かせる力」がないから、子どもにぶん投げてしまうのです。そうなるとほぼ100%学級は崩壊します。
 
教材研究はどうでしょう? 私はこう考えます。
「学び合い学習だからこそ教材研究は相当レベルが高くなければ持続できない」
 
じゃあ、若い先生は学び合いのような協働学習なんて手を出しちゃいけないということ?
 
そうではありません。私は協働学習をベースに起きながら同時に子どものつまづきや教科・単元の内容をよく学ぶ必要があると考えます。
 
また教材研究一辺倒の教師もまたひどい授業をします。理論や方法論で武装するのはいいのだけれども、自分の考え(それは時に自分がやりたいこと)を全面的に表に出すことで、大部分の子どもたちが思考を止めてしまいます。
 
何の戦略もビジョンもなしに学び合い学習をするのも危険だし、戦略やビジョンだけで実際の子どもの姿ともずれているのも危険です。
 
つまり、ごく当たり前の答えになってしまうのだけど、子どもの主体性も教材研究もどちらも大事であって、それは同時進行で行うものなのです。でも、あまりに当たり前な話なのでもう少しためになる話を。
 
多くの教材研究は、同僚・サークル・自分一人・先輩教師 で行っていますよね。私はそこに授業という場と子どもという人間を付け加えています。ですが授業中に指導書を開いて読んでいるわけではありません。
 
私はずっと子どもの学習の進行状況・つまずきなどに敏感であるようにしています。授業中はこの授業をどのように次につなげるか、どうこの単元をまとめるかを子どもたちの授業に合わせてフル回転で考えているのです。自分の授業を「しっかりとみる」だけでもかなりの教材研究になると思います。
 
もちろん、若い先生は特に教科書や学習指導要領をよく読んでおくことが大事ですね。