図工の授業

10年前学びの共同体の研究校だった時に、ある教頭先生から「ちゃんと本買って勉強しな!」と言われたのですが、当時はめちゃめちゃ忙しく本を読む時間がとれない感じがして、本の脇にあったなんか聞いたことのない言葉の書いてあるビデオを一本買うことにしました。もちろん、そのままパッケージを開けることなく封印状態でした。
 
5年ほど前、ネットを検索していたときに「レッジョエミリア」という言葉が引っかかりました。「そういえがそんなビデオ持っていたぞ」と荷物箱の隅っこにあったそのビデオを掘り起こして観てみました。それがレッジョエミリアとの出会いです。
 
まさに衝撃的でした。「なんじゃこりゃ!」ってな感じです。今までやっていたのは「ずこう」であっても「アート」ではないのです。ビデオに映る幼児は素晴らしく創造的であり、知的であり、本気でした。
 
そこから図工の授業の改革に乗り出しました。残念ながらまだその途中とも言えますが、それでもいろいろと変えてきました。まずは基本は共同・協同での活動に切り替えたことです。アートというと一人でやるものだというイメージが強いものですが、レッジョエミリアの教育長さんはビデオで「長い間ヨーロッパでは個性と共同は混じり合えないないと思っていたが、個性と共同は両立できることが分かった」と言います。私もそう思います。
 
そこから道具の準備や環境の大切さを感じ、いろいろと変えてみました。
そして、これは2学期から始めたいと思うのですが、図工にドキュメンテーションを導入していきます。しかし、25人も子どもがいるので私がそれをすることは不可能です。そこで子ども自身でドキュメンテーションを作成しながら制作活動をしていくための準備を整えています。そのため、子どもたちにはすでにビデオを見せて、ドキュメンテーションの作り方を教えてあります。
 
おそらく、レッジョエミリアのように美術の専門性を持った人にはかなわないでしょうが、そこそこのものは完成できると思っています。これが私の図工です。ドキュメンテーションがあれば共同制作であろうとも楽に成績を付け、子どもにフィードバックすることも可能になると思います。
 
ただ、自分的には図工はまだまだまだって感じです。もっともっと勉強していきたいと考えています。もう2〜3ブレイクスルーがある予感がします。