静かな学級崩壊

静かな学級崩壊
 
学級崩壊というと、「特定の子どもたちが暴れだし、周りの子どもも関心を示さず、そして、学級がすっちゃかめっちゃかになってしまう」そんなイメージを持っていることでしょう。
もうひとつ、「静かな学級崩壊」というものがあります。「男ははてしなく幼稚で、女の子は大人で、意地悪で(裏の)トラブルが絶えない」 小学校の教師で高学年を担任している、または子どもの動向に敏感な教師は、よく分かると思います。
 
この静かな学級崩壊は、僕の推測だとかなり広がっているのではないかと思います。どんなところで起きやすいかというと、ベテランの学級です。教師の力押しで学級経営、学習指導しているクラスでは、学級は静かに崩壊していきます。
 
しかし、それは「静か」なので多くの教師は気がつきません。下手すると「あの学級はしっかりコントロールされていい学級」と同僚に思われているかもしれません。宿題もやるし、授業中に大きなトラブルが起きるわけでもありません。
 
ならばいいんじゃない?
 
そう思われるかもしれません。でもそうした崩壊は、子どもの人間関係や保護者に現れてきます。保護者の学校、担任批判、絶えない子どもの同士のトラブル、不登校、そうした表面上は目に見えにくいトラブルが継続的に起こります。そして、そうした学年が上に上がっていくと、今度は明確な学級崩壊へと発展していきます。そうした子どもたちと解きほぐし、束ねていく力がないと瞬く間に、学級は荒れていきます。
 
逆にさらに力ずくでコントロールしても、今度は教師への反発という形で跳ね返ってくるのです。この静かな崩壊は、早ければ小学校1年生から始まります。見えにくいというのが一番難しい。逆に見える学級崩壊は、見えるんですから対処も素早くできるんです。これが今、僕が見える学校の現状の一つです。