どうして残しちゃだめなの?

給食にはいろんな考えがあることでしょう。私はこう考えます。
 
私は好き嫌いが全くありません。どの食材も好きですし、どんな料理もおいしくいただきます。もちろん、おいしいものが大好きです。
 
好き嫌いがないからこそ、子どもの好き嫌いなんてどうでもいいことだと思っています。今の日本で栄養失調になることはまずありません。むしろ食べ過ぎによる弊害の方が大きいと言えます。
 
私は基本的に全員同じ分量を配るように指示しています。体が大きいとか小さいとか関係なく。全員が同じ分量です。ですから当然食べきれない子どももいます。そして私は「残しても良い」と言います。逆にいっぱい食べる子どもにも基本的に「おかわり」はさせません(お休みがいて、例えばシュウマイなどが余ったときにもできるだけそれを半分とか3分の1にしてあげるようにします)
 
そうなるとどうしても残しものが多くなります。空にしようとするならば、拷問のように食べきらせるまで許さないか、食べたい子どもに通常の2倍くらい食べさせることになります。そんなこと、学校教育に必要でしょうか? きちんと食べさせないと好き勝手する子どもに育つというのでしょうか?
 
もちろん、私も好き嫌いしないで食べることの大切さやお金を出している親の気持ち、作った人の気持ちを何度も子どもに話します。でもそれ以上はいいません。だって「食事」ですもの。学校は刑務所ではありません。みんなで楽しくおしゃべりしながら食べることが大事ですし、楽しくない食事なんてまっぴらごめんです。
 
時に全員が一言も話をせずに黙々と食べている教室を見かけます。家庭に置き換えると、それがどんなに異常か分かると思います。
 
もし、子どもに食事の大切さや食べることの興味を沸かせたいのならば、家庭での料理に参加させることが大事だし、家庭科の調理実習も大事になります。もちろん給食も「栄養がうんたら」ではなくて「おいしさ」をもっと追求しなければならないことでしょう。加熱処理されてぐちゃぐちゃになった野菜なんて「子どもでも」食べないに決まっているのですから。
 
「おいしいものを楽しく食べる」これが学校給食でも一番大事な部分だと思います。