これからの被災地に大事なこと

職員室である先生が次のような話をしました。
 
「先生、私はね、これから大事なのはやっぱり勉強じゃないかなと思うのよ。今までいろいろと芸術だとか音楽だとか、それはそれでとっても楽しかったし、子どもたちもうれしかったと思うのよね。でもそんなんじゃ、子どもたちは救われないわよね。こんな状況だからこそ学力の高い、将来の福島県を引き上げられる人に成長させなくちゃいけないんじゃないかしら。」
 
まさしくその通りです。
 
被災による経済的な損失、放射線による差別、地域再生、高齢化対応…
これらを乗り越えるには「賢い」人間をどれだけ育てられるかにかかっています。今子どもたちに必要なのは「心の安らぎ」とか「笑顔」とかではなくて、
きちんと学べる環境です。子どもはそんなに弱くはありません。逆にきちんと学べる環境がないからこそ、不安定にあるのです。
 
福島県などは放射線教育を徹底して行った方がよいと私は考えます。放射線の学習には理科の4分野すべてに通じる非常に高度な学習です。これらを世界最先端で学習していくことは、福島県の理科教育(学力)を全国トップレベルに引き上げることもできます。
 
この災害を「苦しい」「つらい」「怖い」といくら嘆いても仕方がありません。それよりもこれからの未来にお金も、人も投資していかなければならないと考えます。
 
本校も次年度はそうした視点で授業を展開していける学校にしていきたいと思います。