「学び合い」の授業 その3

3.「全員できる」なんて幻です
 
おそらく「学び合い」はここが魅力ですがこれで崩壊します。
 
よく「最低点○○点」とか「全員できるようになった」という話が出てきます。嫌な気持ちになります。考えてみてください。その前の授業では全員ができるようになりましたか? 水泳は25m泳げるようになったけど、どの子どもたちはみんなサッカーでシュートして得点をとることができましたか? 漢字はみんな書けるようになりましたか? 文法は? 英単語は? 笛は? 裁縫は? 図工は? 実験は? 観察は? 地図の見方は?
 
毎日、毎時間すべて目標が達成できましたか? 
 
「そんなできない時もあるでしょう。」
 
そうでしょうね。でもどうしてできなかったのですか? 逆にできたものはなぜできたのですか? 
 
簡単です。子どもは教師が「それ」を全員達成することを望んでいたから達成させたのです。でもその教師は達成すべきこと内容を分かりやすいものに絞っているだけです。「そのほか」の教科・単元ではうまくいっていないはずです。
 
教師なんて勝手ですから「自分の好み」で子どもが達成できたの、できないだのに「こだわり」ます。
 
はっきり言って、「どうやってもできない」子どもはいます。脳の発達が追い付かなくて、その時には分かってもすぐに忘れちゃう子どももいます。私はそのことを正直に子どもに言います。だから無理をしてでも「何度でも学び直せるカリキュラム」を算数では構成しています。
 
「一人も見捨てない」=「みんなができる」ではありません。
「一人も見捨てない」=「みんなで学び続けられる」です。
私はこれまでの実践でそう感じています。
 
「学び合い」を短期的にではなく、長期的に考えていくことが次のステップアップだと思います。