「学び合い」の授業 その2

今日もかなり辛口でいきます。
 
2.課題設定・評価の研究なんていらない

「学び合い」の会ではよく課題設定が難しいとか、評価方法が難しいとかそんな話題が多いようで、そこに時間を費やしたり、どんな課題設定だと子どもが学び合ってくれるかなんて話をされたりしています。はっきり言って無駄です。
 
「学び合い」で余計なものをどんどんそぎ落としていった結果、課題があるから「学び合い」をしているわけではないということが分かりました。現にうちのクラスでは黒板には何も書いてなくとも子どもが授業をどんどん始めます。
 
つまり、子どもの頭の中に今の単元の学習で何を目指すのか、教師と合意ができているということです。
 
課題設定なんて、学習指導要領をよく読めばいいだけです。学習指導要領の解説編はよくできています。その到達を示しながら、子どもの学びに即して「後出しじゃんけん」という課題で微調整を加えていけばいい。
 
これは評価も同じです。「学び合い」について評価は非常に大事です。しかし、授業シートだの、シラバスだの最初から評価項目を設定しても、毎時間作るとすれば、せいぜい大学の学部生レベルのものしか作れません。
 
もしも、課題設定について本気で力をつけたいと思うのなら、単元の全授業分の学習指導案を書く力を身に付けるべきです。もちろん授業観・指導観・教材観も含めてね。A4で15枚くらいになると思います。1年間でそれを10単元分も作るとよいと思います。5年で50単元。これくらいやれば毎日の授業で課題設定がどうのこうのということはなくなります。
 
初任のころ、毛筆の達人であった教務に「どうすればこんなに上手な文字が書けるようになるんですか?」と聞くと「お前は練習したこともないのにそれを聞いてどうする? 縦棒3年っていうんだぞ。」と笑われてしまいました。
 
「「学び合い」のための課題設定」なんてないんです。幻です。「学び合い」で課題がうまくいかない人は、一斉授業をやってもうまくいかない人です。「学び合い」だから課題設定がうまくいかないのではなく、「そもそも」課題設定する力がないんです。
 
ただ「学び合い」は「みんなで学ぼう」という子どもの主体性が先行するので、教師のこうした力不足は隠れてしまいます。しかし、その間に力をつけなければ、子どもは伸びもしないし、学びは荒れていきます。なぜなら真に課題設定ができないということは、子どもの学びの質を見極めることができていないからです。
 
実は「後出しじゃんけん」はメチャメチャ難しいんです。自分の中の課題設定と子どもとのずれを感知しなければならないのですから。でも感知できれば、すぐに軌道修正をかけることができます。絶対に負けないじゃんけんです。
 
上記を考えれば、事前に作った評価シートなんていかにちゃちなものしか作れないか分かると思います。本気でやれば評価シートもすごいのを作ることができます。でもやりません。だってそんなもの毎日・毎時間作れませんもの。逆に毎日作れるものなんて役に立ちません。もしも評価の力をつけたければ、課題設定のように年間で5単元くらい本気で評価シートを作るとよいと思います。どっかの附属小学校レベルでね。それが必ず「学び合い」の授業の評価の中にフィードバックされていきます。
 
早朝でまだ頭が回らない時間なので、少し分かりにくい内容になっているかもしれませんね。よく分からない・それは違うんでない? という人は教えてください。