「子どもらしさ」なんていらない

これは私が年を経るごとに強く感じるようになってくるのですが、学校の子どもがどんどん子どもっぽくなってきています。
 
なぜだろう? 家庭の問題かしら? 社会の問題かしら? それとも学校の問題? その原因を考えていくうちに、その大きな原因は実は学校にあることが分かってきました。以前なら20代の先生がやっていたような取り組みや、子どもとの関わり方を40代、50代の先生が行っているのです。その年齢になって子どもと同じレベルの目線に立つのですから、子どもから見れば「子どものような先生」となることでしょう。多くの場合、子どもはそれを歓迎します。だって権力者である教師の姿が、自分の目線まで下がるのですから。フレンドリーと感じるかもしれません。そして、教師もまたそうしたフレンドリーな教師を目指しているのかもしれません。
 
その結果何が引き起こされているかというと、子どもがさらに子どもっぽくなって成長しないというものです。「子どもらしい」という言葉はとてもよい言葉に聞こえるかもしれませんが、本来の学校現場では、これは教師の力不足からくるものです。こうした教師の力不足は、「ごほうび」とか「かわいらしい」とか「タメ口」とかいった、教室のいたるとこにとけ込んでいるのです。
 
そして、そのつけは子どもたちが払うことになります。フレンドリーな先生、何でも言える先生(これを僕はいことだと思えない)、困ったらいつでも助けれくれる先生が、実は子どもの自立と成長を押さえ込んでいくのです。
 
学校とは「子ども」と大人へと、社会人へと成長させいていくチャレンジの場なのです。