特別活動は学校の「コア」

運動会まであと10日。本校でも運動会の練習が真っ盛りです。運動会に限らず、学校の行事というのは学校のコアです。今日はそんなお話。
 
小学校の場合、子どもの生活の基盤はもちろんのこと「教室」です。しかし、学校という枠組みで考えると、学年や上下の学年の子どもをつなぐのは特別活動です。特別活動には児童会活動、学級活動、そして学校行事があります。
 
私も若い頃はその重要性が分かりませんでした。しかし、2校目の学校で研修主任となり、特別活動の東北大会を受けることになったことで、いろいろと学ばせていただきました。私みたいに何にも知らない教師に実践の豊富な方々がいろいろと教えて下さいました。その時の基盤があるからこそ、子どもが学び合う授業もスムーズに取り入れることができたとも言えます。
 
運動会の練習などを行っていると、その教師その教師のあり方や子どもの見方がよく見えます。郡山市のように年齢層が高いと「いつものように」という流れが出来ており、ベルトコンベアのように物事が滞りなく進みます。その「滞りなく」というのは実は特別活動から全く的外れな取り組みだと言えます。
 
特に最高学年だと運動会というのは年間行事の中で1,2を争うような大きなイベントです。そこに向うのに教師はどうあればよいのでしょうか?
 
多くの教師はスムーズに進行できることを目的におきます。それは保護者にとって見栄えのよい姿かも知れません。しかし、それが子どもの目的であってよいでしょうか? 
 
「失敗しないことが目的?」そんなはずはないですよね。
 
運動会を通して子どもに何を身につけさせるのか? 教師はその目的やゴールをきちんと子どもと向き合って話し合わなければなりません。運動会をすることが目的なのではなく、運動会をすることを通して子どもを育ているのです。ですから、練習も尊いものとなるのです。「うまくできない」と子どもを怒鳴りつけたり、教師の思うようにならなきから何度も練習する姿というのは、この特別活動の目標からは大きく外れたものなのです。
 
もちろん、子どもが自ら考え、動くには教師の支えも必要だし、時間も必要です。教師というのはそうした部分のマネジメントをするのが仕事です。「やらせること」が仕事ではありません。
 
しゃかりきになって指導している教師は、自分の指導法が最もスムーズだと思っているので、自分の姿に気がつくことができません。でも学習指導要領をちょいと読めば、子どもが主体であり、上学年の子どもたちが下学年の子どもたちと関わり合いを持ちながら、よいよい学校生活(ここでは行事)を作成していくのですから、教師が何をしなければならないのか分かるはずです。
 
教師の仕事は子どもの心に「灯を点す」のが仕事です。それを忘れると子どもの成長は止まってしまうのです。