課題設定

何度か書いてきました。今日いいきっかけがあったのでまた書きます。
 
今日は市教育委員会の指導訪問(授業の様子を参観しご指導いただく)でした。指導案を作ったのは夏休みでしたので、釈然としない部分もありながらも、今日の理科の授業を行いました。
 
「太陽と影の動きが反対になる理由を考え、説明できるようにする」といった課題設定でした。
 
結果・・・
うまくいきませんでした。2量の変化について関連づけて考えるというのは子どもにはすごく難しいのですが、夏休み明けならこんくらいできるだろうと踏んでいましたが、実際にはほとんどの子どもが混乱していました。
 
これまで話をしてきたように、授業の中でも何回かフィードバックをかけて軌道修正をとりつつ、内容を整理して行きましたが、それでも半数はこぼれていました。これが自分の専門免許状を持っている理科の授業です。20年やっていても、指導案を作ってさえもうまくいかないこともあります。
 
じゃあ、授業は「失敗」だったかというとそうとは言えません(先日書いたように「授業に失敗なんてない」という話につながります) その1時間で何がダメだかが見えたのですから。予定を変えて次の時間は課題を修正し、子どものがイメージできていないところを説明し、子どもの考えをシェアしました。フィードバックすればいいだけですから(もちろん、人に見せる授業がいつもこんなのでよいとは言えませんけれども)
 
いつもうまくいく課題なんてありません。もしあったら、数十年間でもっと一般化されているはずですから。うまくいかないのは、教師も子どもも状況もないもかもが同一であることはないからなんです。むしろうまく行かない方が普通って考えた方がよいのかもしれません。
 
大事なのはうまくいかないときに軌道修正をかけられるか、それでもうまくいかないときには、次時の授業にフィードバックできるかなんだと思います。フィードバックかけられているうちは授業が崩れることはありません。
 
と、今日のダメ授業のいいわけをいろいろと並べてみました(笑) 
もちろん、子どもたちは困惑しながらも本当によく勉強していました。
そこが自慢かな?
 
追記
2量の変化というのは5年生の算数でも出てきますよね。「算数が苦手」は、ここで致命的になります。上記の課題を修正するならば、苦手な子どもについては「一方を固定する」という入り口にするとよかったなと思います。つまり太陽という言葉を用いないで、「なぜ影は西から東に動くのか」という課題だとほとんどの子どもが説明できたと思います。でもこれくらい課題設定というのは、微妙で繊細なのです。今日ダメだったからこそ気がつける課題です。