教科書

先日の岐阜聖徳大学の井上志朗先生のお話にもありました。
 
特に私の専門免許でもある多くの理科の教師は「教科書が邪魔だ」と言います。「実験する前から答えが分かってしまって、勉強がやる気がでなくなってしまって全くけしからん」と言います。私も昔はそうでした。ですからできるだけ子どもたちには教科書を見せる機会を減らしていました。
 
自分が本当に「未熟で馬鹿だった」と思います。
 
上記の井上先生も中学校の理科教師であったようでした。振り返ってみて教科書を使ってこなかった自分が悔やまれるとおっしゃられていましたが、そのことに早めに気がついてよかったと思います。
 
知っているから勉強しないなんて本当に勉強の仕組みがよく分からない人の考えです。じゃあ、教科書なしでお手製のテキストでみんなが実験を理解し、考え、理解できるでしょうか? 「それをできる」いう教師はほとんどが思い上がりだと思います。おそらく教科書をうまく活用した教師の方がよい授業をすることでしょうね。
 
私は積極的に教科書を読ませます。理科の勉強をするのなら自分がこれから何を勉強するのかくらい知っていることが大事だし、実験の方法も知らないで、どんな結果がでるのかも分からないまま実験をするのなんて愚かだと子どもに言います。
 
教科書をよく読ませるとどうなるか? 
 
「ものすごくよく勉強します」
「そして、科学的な見方や考え方も広がります」
 
教科書を学ぶのではなく、教科書で学ぶだけだからなのです。
本当に専門性が高いのなら、教科書のよさを取り込んでさらに子どもを引き上げることができます。答えが書いているかどうかなんて実はどうでもいいことなのです。
 
これは社会でも同じです。本市で使っている社会科の教科書は東京書籍です。3年生で学ぶ学校の周りのようすは、教科書は仙台市を扱っています。じゃあ、地域と合わないから教科書は必要ないかというと逆で、教科書をよく読み込むことで、自分がどんな勉強をするべきなのか分かるようになります。
 
ただ教科書を使いこなすためには、逆に高い専門性も、教材研究も必要です。それができるようになると教科書の大切さが分かると思います。だからこそ、理科や社会の教科書はずっと教室に置き、いつでも使えるようにしております。(ランドセルも軽くなるしね!)