現状の授業の問題点4

現場から見る「現状の授業の諸問題」を明確にしておきます。

4.繰り返さない
 
小学校の教師をしていると子どもの能力は非常にバラツキがあることが分かります。そのバラツキとは単純に「頭のよい子・悪い子」というバラツキではなく、脳の領域の発達にバラツキがあることが分かります。
 
これは例えば同じ算数でも計算の領域では全くだめなのに、図形の領域ではクラスでもトップレベルで理解が進むなんていうことは「普通に」あります。また「学び合い」をやっていくと瞬間的に理解がジャンプアップすることがあります。算数でクラスでは最下位レベルの子どもなのに、すらすら説明ができるようになるというように。しかし、次の日もそれができるかというとそうでもありません。その瞬間はシナプスがつながっても、その脳の領域の発達が十分ではなく、それを保持できないのだと考えています。
 
しかし、1年も過ぎると「ああああっ、そういうことなのかぁ」と子どもは言います。まるで分からなかった微分積分が後になって「なるほど!」と思えるように。その為には繰り返して学べる環境が必要です。しかし、現状の授業では戻ることも、逆先に進むこともあり得ません。それは深さについても同様です。
 
 
中学校になるとある程度成長の差は吸収されてきますが、かなりの部分残っていると思われます。また、高等学校では「能力別」に別れるので、それはもっと見えににくくなります。そうすると「できない」ことが本人の努力不足のせいにされることも出てきます。もちろん努力が足りない生徒もいるでしょうけれども。
 
今の授業は「その時間ちゃんとやれば誰でも分かるようになる」という考えがモデルになっています。そんなはずはありません。そう思いませんか?
 
 
では、どうすればいいのでしょう?