僕は原発には基本的に反対です

これまでずっと原発に賛成か反対かは言葉にはっきりとは出してきていませんでした。小泉元首相ではないのですが、もともと僕は原発はむしろ推進する立場でした。原子力はやっぱり「効率」がいい。福島第1原発をみて分かるようにたったあれだけの面積で600万kwh(6000Mwh)も発電できるなんて、発電する側から考えたらやっぱり夢のように素晴らしい発電には間違いありません。
 
でも。。。。
幾重にも防御はされているはずの原発は、外側とは言えいとも簡単に爆発しましたし、「ありえない」と言われていたメルトダウンは、3つも起こりました。また分厚いコンクリートで封じ込められていたはずの原子炉は、水素爆発によって原発上部は実は簡素な作りであったことがばれてしまいました。
 
また、僕の古い友人は大学を出ると、ある電力会社(東電ではない)に就職し、原発に回されました。その友人は「このままだと放射線で殺されちゃう」と言って、やめて地元に戻りました。そのころから、そのころからなぜ安全と言われている原発でそんな被曝するようなことがあるのか分かりませんでした。
 
ここ最近でも「実は燃料プールには、震災以前に損傷したり、穴の空いたものがあり、未だに取り出せない燃料棒がある」ことが分かってきました。こうした情報が明らかにされないまま、私たちは原発とともに生きてきたのでしょう。
 
さらに、地質学を専攻しているぼくからすれば、燃料を万年単位で埋められるような場所は日本にはありません。例えばフィンランドが埋められたのは、スカンジナビア半島には億年単位で地盤の変動していない安定地殻があるからで、日本にはそんな場所はないのです。地質図を見れば分かりますが、日本は世界の中で最も地殻が不安定な国なのです。
 
さらにさらに、高校生の時の化学での実験やその先生の話を聞く限り、高速増殖は本当に怖い。稼働すればするほど燃料が増えていくなんて夢のようですよね。でもその冷却剤が「ナトリウム」と分かって、その技術はマッドサイエンスとしか思えません。理論では確かに可能かも知れませんが、空気に触れただけで発火するようなナトリウム。それを大量に巡廻させ、一滴ももれずに完全に制御することはまず無理だと僕は思います。
 
僕はこれまでのような原子力発電に頼らない、成長戦略に頼らない、ネットワーク型の発電システム(少しずつを大量に、そして変動を吸収できるシステム)を世界に先駆けて日本が開発していくことが必要であると考えています。
また、使用する電力を少しずつ削るのではなく、大幅に削るようなイノベーションも促していく必要があります。
 
私たちは快適になったこの生活を簡単に手放すことはできないことでしょう。この快適さを維持するためにも、発電方法を多様化し、少ない電力でよりよく生活できるような未来を作っていくことが日本の未来にとっても、きっとアドバンテージになるはずだと考えています。
 
ただし、僕はこの考えを教育現場には反映しようとは思っていません。教育は常にニュートラルでなければならないからです。原発推進という考えも、その子どもにとってはまた正義なのです。僕の仕事はそうした未来を創る子どもたちに考える場を与えることであり、何をどう選んでいくかは、若い世代、そして子どもたちも決めていくべきだと僕は思います。
 
※追記
でもでも。やっぱり理系人の僕としては、核融合が実現するのを見てみたい。もちろん発電所としては全く採算合わない技術だけどね。