アダプティブに授業するとは?  その1

アダプティブ授業。
 
つまり「どんどんやってみて、子どもたちの状況や理解を判断しながら授業を展開していく」そんな授業です。
 
もっともイメージしやすいのは、実は体育です。
今、子どもたちは「サッカー」の授業に取り組んでいます。通常、サッカーをする場合の授業の流れは、ボールの蹴り方やパスの練習をしたり、シュート練習をしたりした後に、ゲームを取り入れて授業をします。
 
僕は、こうしたセオリーを全く無視して、チームを決め(これはずっと固定)、簡単なルールを説明した後で、いきなり試合を始めちゃいます。だってその方が子どもだって楽しいもんね。チームは3つ作成して、授業では常に2チームが試合(僕は審判)、残りのチームは自分たちで練習をしています。
 
試合では、最初のルールで説明しきれなかった内容も実践の中で説明を加えながら、ゲームを進めていきます。ゲームをやってみて初めて、私も、子どもたちも何が出来ていないのかを気がつくことができます。試合後は簡単に振り返りを行います。そのチームに足りないのは何か、どんな練習をすればよりうまくゲームを進めることが出来るか考えていきます。授業では1時間に2試合行います。
 
これは基本的に体育のほとんどの流れです。もちろん、体育には危険がつきものですから、予想される危険なことについての注意は始めに徹底しますが、基本は、どんどんやってみて、課題を見付け、改善していくという方向です。
 
ただ一つ、経済戦略と違うのは、企業=教師と顧客=子ども となりますが、顧客である子どもたち自身が、アダプティブに自分たちの課題を見付けて改善していくのです。教師側と子ども側で改善を図っていくのですから、対応はより早くなります。子どもたちは気合いが入ってくると、授業をする時にホワイトボードを持ち出して、戦略や練習の計画を立てながら授業を進めています。
 
この成果は、試合にすぐにでてくるようになります。チームは男女混合ですが、スポーツ少年団でサッカーをかなりやっているようなエースがいるチームでも負けるんです。女の子もシュートで。しかも、体育の苦手な。(もちろんオフサイドは無しにしてありますけど) 
 
まずは「やってみる」そして「考える」、そしてまた「やってみる」
 
あれ? これって光村の高野進さんの「動いて、考えて、また動く」の説明文と同じだ(笑)