教師とは?

昨日は1学期の終業式でした。その夜はいつも通り職場の飲み会となります。
ある先生と1時間くらい学校、そして教師のことについて話をしました。
 
私たち教師は子どもの前だとどうしても「自分の能力の高さ」を示したくなりますし、子どもの上に立つのですから思い通りに子どもを動かしたくなります。でも忘れてならないのは私たちの仕事は子どもを学力や心身を成長させることであり、言うことを聞く子どもにすることではありません。
 
例えば全体の指示を通すときに「○○をしなさい」「何度言ったら分かるんだ」こういう言葉を出す前に、教師は子どもに何を語りかけたのでしょうか? 
私は子どもには「○○をしていけない」という話よりも「○○をするとどうなるか」の話を出来るだけ多くします。こんなことは誰でも子どもに話していると思うかもしれません。でも「言うことを聞かせるために話をする」のと「子どもを育てるために話をする」のでは全く子どもの動きが違うのです。
 
昨日話をした先生のクラスでは、夏休み終盤とあって、となりにある理科室でお化け屋敷をやって、大はしゃぎでした。でも、ちょっと授業にはうるさいのでちょっと注意をしました。その後、廊下をすれ違う度にいろんな子どもが「先生、昨日は迷惑をかけちゃってすみませんでした。」って言葉をかけてくるんです。
 
はしゃいでよそのクラスに迷惑をかけるなんてどこのクラスでもあることです。でもちょっとした言葉のかけ方で「叱られた」で終わるのか、「迷惑はかけちゃいけないんだな」と学ぶのかでは、大きな違いが生まれます。どんな話をしたのかは分からないのだけど、きっと子どもの振り返りができるような子どもをかけてくださったのでしょう。
 
私はこれが教師だと思います。そしてこれこそがプロフェッショナルの仕事なのだと思います。こうした指導があるからこそ、子どもは指示通りに動くようになるのです。そうした指導力がないまま子どもに指示しても子どもは思い通りには動きません。子どもが素早く指示通りに動くというのは訓練ではなくて、こうした子どもへの働きかけと関わりがあるからなのです。
 
子どもをどう育てるか? どう育てたいのか? そうした話し合いが飲み会でもできるってことはとても大切なことですね。