馬鹿になっていけない

放射線リスクについてさまざまな場所で「全く危険性はない」という話が聞かれます。僕のスタンスは「おそらく大きな危険はないけれども、無防備でよいわけではない」というものです。放射線リスクというものはあくまで確率ですから、その確率は小さければ小さいほどよいに決まっているのです。
 
多くのリスク分析は被曝量の影響が証明されている「100mSv」を基準にしています。ですから年間被曝量が1msvであるならは自然被曝量と比較して「リスクはほぼない」と言えると説明されています。
 
でも100msvって誰が基準でしょうか? これは成人男性の被曝モデルで子どもではありません。子どもは小さければ小さいほど被曝には弱いのです。子どもの被曝を考えるときに100msvというのはかなり乱暴な話ではありますよね。
 
また、よくCTとの比較も出てきます。例えば頭部のCTだと10msvくらい被曝します。それから比べたら1msvなんてたいしたことないでしょ?って言う人もいます。でも十年以上も前から子どものCT被曝は医学界でも問題に上がっていたはずです。診断とのトレードオフがあって被曝が許されるのであって、浴びない方がよいに決まっています。
  
また、β線の問題も無視されています。確かに外部からのβ線被曝はそれほど影響はないかもしれません。でも内部被曝で考えれば「目に見える(霧箱実験でね)」ほどパワーがあるのですから、ごく少量でも体に入ったときの影響を考えていく必要もあります。
 
子どもの運動着なんかも外で運動すればそこそこ汚染されます。原発事故前だったらドラム缶につめるくらいの汚染はあります。ですから子どもが運動着を着たままホールボディーカウンターを受ければ、多くの子どもがひっかるはずです。
 
郡山で外で大根を干せば(切り干し大根)をつくれば数百ベクレル(農業センターの実験ではさらに高いです)にもなることがあります。それだけ粉じんも飛んでいます。
 
上記の数値は一度に浴びるのか、低線量を継続的に被曝するのかでももちろん違います。子どもへの影響も含めて、実はまだまだ分からないことだらけなのです。
 
私たちは自分の目で見て、測定し、考え、そして判断するべきです。そうした賢さを福島県の人々には求められているのだと思います。
 
 
※追記
放射線被曝は農薬と同じと考えるといいと思います。いくら「安全です」と言われても僕は農薬がたんまりかかった野菜や果物は食べたくないし、できれば無農薬のものを食べたいです!