子どもは「学校」が育てなくちゃいけない

この時期になると卒業生を担任する先生方の取り組みに本当に頭の下がる思いです。
 
私が高学年を担任していたときには、1〜4年生の先生方にずっと「申し訳ないな」という思いを持っていました。小学校の最終段階を担任するということはやっぱり子どもとの関わりは大きいし、その分思い入れも強くなります。そうなると1〜4年生の取り組みというものは相対的に霞んでいきます。それは仕方がないことないことかもしれません。
 
しかしここ最近はずっと中学年(3〜4年生)を受け持っています。そうなると育てたこどもはどんどん上へと送り出していきますが、自分はどんどん取り残されていきます。もちろん、新しい子どもを担任することになりますが、もう一度モチベーションを掘り起こすというのは実は容易ではありません。
 
そのようにならないためには学校、つまり教員の全てが全ての子どもを育てていくというような考え方が必要になります。しかし、建前上は「○○小学校ではこんな子どもを育てる」というビジョンが掲げられますが、大抵の場合それに合わせた仕組みがなく、空回りしていることがほとんどです。
 
低学年の教師が高学年の子どもを指導するような場面、また逆に高学年の教師も低学年の子どもの指導をするような仕組みをどれだけ作り出していけるかを学校が考えていく必要があります。でも残念ながら多くの場合は特別活動で「ちょっと」関わる程度で終わってしまいます。本当は授業の面でも連携が必要になります。オランダのイエナプランのような縦割りの授業構成なども考えて行く必要があるかもしれませんね。

そして何より大事なのは1年生に入ってきた小さな子どもたちがこの6年間でどのような子どもに育てていくか、教師みんなで共通のビジョンを持つことなのです。でもこうした話し合いの場はほとんどの学校でもたれることはなく、担任任せになっているのが現状ではないでしょうか?
 
子どもたちの卒業式は担任だけでなく、どの教師も子ども一人一人の成長をかみ締めながらお祝いできる、そんな学校が最も素敵な学校なのではないでしょうか?
 
追記
中・高等学校だと学年の生徒ごと担任も持ち上がっていくのでこうしたことは起こりません。小学校特有の課題でしょうね。