言葉から始まり言葉で終わる

今行われている「書く活動」の実践から様々なことが分かってきています。ここまで大きなブレイクスルーが起こるとは思ってもいませんでしたが、全ての教科で「言葉から始まり言葉で終わる」ということが分かってきました。簡単に言うと言葉にできないことは分かっていないということですね。
 
「クロスカリキュラム化」という話をこれまでしてきましたが、最近の実践を積み上げてきて分かってきたことはカリキュラム上の統合や融合という物理的な組み込みが大事なのではなくて、言葉がつなぐ・言葉でつながるというもっと単純かつ基本的な仕組みであることでした。そうなると今までの自分の授業の曖昧さ、ルーズさが明確になってきます。
 
例えば算数。うちのクラスでは教育課程としては3月までの内容はすでに終了し、学年全てのテストも終わっています。2週間前から算数に関しては言葉と子どものテストを手がかりにして、一つ一つ丁寧に掘り下げています。
 
「道のりと距離って何が違うの?」 
「道のりはまがっていて、距離はまっすぐ」
「曲がっているってどういうこと?」
「・・・?」
 
学び直して
「先生、道のりは道に沿って進むってことです。」
「沿うってどういうこと?」
「沿うとは道のとおりに進んでいくことです」
「じゃあどうして違いと求めるときには、必ず道のりから距離を引くことになるの?」
「・・・?」
 
学び直して
「先生、道のりだと道に沿っているから、まっすぐ行くよりも絶対に長くなるから、距離ひく道のりはできなくて、道のりひく距離になるです」
 
こうした言葉と軸として、一つ一つ子どもたちの数学的な思考を言葉で規定していきます。学習は言葉から始まり言葉で終わるのです。