ごほうび

よく小学校でも「ごほうび」という言葉が使われます。
 
「がんばったごほうびにきらきらシールをあげます!」
「ごほうびに来週にお楽しみ会をします!」
「みんなができたごほうびに」
「完成したごほうびに」
「勉強が終わったごほうびに(笑)」
 
まるで勉強することが苦行のようにね。
 
こうしたことが蔓延していることが分かるのは教材会社が毎年豪勢なシールサンプル帳を持ってくることです。おそらく全国でそのシール代は「億」にもなることでしょう。
 
これは幼稚園でもよく使います。「ごほうびのおかし」を息子はよく持ってきます。ひょっとすると「ごほうび」とは幼稚園から広がってきているのかもしれませんね。
 
ところで学校とは何でしょう?
ご褒美を受け取りながら勉強するところでしょうか?
 
私はシールを買ったことが一度もないのだけど、全くそれで困ったことも、それで勉強のパフォーマンスが落ちたこともありません。子どものノートや黒板にかわいいキャラを書くこともありません。それは学校にとって、学級にとって最も大事なのは「子どもが自分の力が伸びていることを実感できる」ことだからと知っているからです。それが「ごほうび」ともいえます。
 
そこにこだわりのない教師は、私は「教師」って言っちゃいけない気がします。どの子どもだって「伸びたい」って思っているんですもの。しかも「できない」子どもほどね。
 
シールやお楽しみ会なんて本当はなくてもいいんです。ちなみに今年の3年生は1学期はお楽しみ会はやっていません。「やらないの?」って聞いても「自分たちの係活動やりたい!」って何もやりませんでした。「育ってきているなぁ」と思える姿です。