元気に「ハイッ」は・・・

ダメな授業です。
 
そもそもクラスの子どもたちに質問して、分かる子どもが手を上げて、それを指して答えさせることって何の意味があるんでしょう? 分からないことがあるから勉強しているのにね(笑)
 
時々、元気よく「ハイッ」って子どもたちが手を上げている姿を見ます。子どもたちの表情を見ていると「私を指して!」「私は分かっているのよ!」というオーラを全開に出しています。思い起こせば自分も小学校の時にそうでした(苦笑)元気よく「ハイ、ハイ」言ってるクラスは何も知らない人からすると元気がよくてやる気満々のクラスのように思えるでしょうね。
 
「逆です。」
 
本当によいクラスって「分からない人いる?」って聞いた時に、本当に分からない子どもがちゃんと手を上げられるクラスのことを言います。だから私は授業で手を上げるような場面はほとんどありませんし、あるとしても上のように分からない子どもに手を上げてもらう(上げさせるじゃなくてね)ことしかしません。分からない子どもが多ければもう一度授業の課題の修正や考え方のヒントも与えていきます。子どものつまずきを見つけるチャンスですものね。
 
でも、実はこれはすごく難しいことなんです。試しにやってみてください。「分からない人は手を上げて!」って。通常分からない子どもの半数は手をあげません。だって、分からないことがみんなの前で晒されちゃうなんて恐ろしいに決まっているのですから。
 
でも分からないことが誰も馬鹿にせず、逆に助けてくれると分かってきたらどうでしょう? 手を上げるようになりますよね。そういうクラスを作らなければならないということです。でもこれは本当に難しい。担任が何度かきれい事言ったっ変わりはしません。今の自分のクラスでもまだ不完全です。でも毎日「今できないことなんてたいした問題じゃないよ」「できないことをできるようにすること、分かるようにすることが学校だよ」こう言い続けることで、そして、実際に子どもが分からないことをみんなの前でさらけ出しても大丈夫なことが分かった時に子どもは変わっていきます。
 
佐藤学さんもかつて「「ハイハイ」と元気に手を上げるクラスは馬鹿なクラスだ」とおっしゃっていましたが、私もそう思います。本当に学びの質が高いクラスは、手を上げている暇なんてないし、そもそも「先生、私分かっています!」なんて自己アピールしなくても自分の理解のレベルが高まることを自覚できるのですから。