教材というもの その3

最後の話になります。教材会社側からみる教材です。
 
小学校で使う主要教科の教材はほとんどのものが「終わり」の教材です。計算ドリルも授業で終わった復習で、単元テストも終わりの評価、夏休みなど長期休業用のドリルも1学期の復習となっています。
 
最初の話に戻ります。教材というものは本来「子どもをアシスト」するためのものであるはずなのですが、今の出回っている教材は教師をアシストすることが主になっていると言えます。
 
つまり授業の主軸の部分に教材会社の教材は踏み込めていません。おそらく授業の主軸の部分は教師の「聖域」であって踏み込めないと考えているのだと思います。
 
でも考えてみてください。中学校と違って小学校は「繰り返しの授業」がないのです。専科のように「1組から5組までの理科」とかではないのです。1時間1時間の教材の準備を丹念にできるでしょうか? これはベテランでも無理です。首都圏のような若い層がたんまりいるようなところでは、子どもがどのようなプロセスで授業を学び取っていけばよいか、そのためにどんな教材を用いればよいかということに悩んでいます。ニーズはものすごくあるはずです。
 
でも教材会社にはこの授業のコアの部分には触れていません。予想されるのは上に書いたように、そこは教師の聖域の部分だからそれをアシストするようなものを作ってはいけないという考えがあるのではないでしょうか?(間違っていたら教えてください)
 
また、学習の進め方は教師によって千差万別なのでそうした教材を作ってもパイが少ないと考えているかもしれませんね。
 
でも私はそうは思っていません。授業の中でこんなものがあったら使いたいなと思うような子どもをアシストするような教材は1つもないのですから。
 
一つヒントを上げるとしたら「ノート(思考型ノート)」です。教材会社がここの部分に踏み込んだものはないはずです。教材会社の持つ可能性は私は無限大だと思っています。教育改革も教材会社の方からのアプローチの方が早いんじゃないかと思うくらいです。
 
残念ながら、今の教材会社は「金太郎飴」です。小学校の先生なら意味が分かりますよね? 現状では教材会社自身がが考えているほど単元テストやドリルに質的な違いはないのです。人数的にもどんどん先細りする日本の教育界。辛辣な表現もありますが私は教材会社の可能性にすくご期待しています。