教育現場で大事なもの

私は「スピード」だと思います。
 
この業界は何に付けても「遅い」って私は思います。石橋を叩いているうちに終わっちゃったとか、慎重に慎重を重ねたことでかえって余計に悪くなったなんてことは珍しくないことでもあります。
 
昨年から今年にかけれ知り合いになった教育現場以外の方々はとにかく決断、見立てが速い! 私なんかの何倍ものスピードでも物事に対処している姿を見てきて、私の自分の行動を変えてきました。でもまだ足下にも及びませんけどね。
 
ではなぜ、教育現場にスピード感がないのでしょう?
 
まず一つは、職員室が「クリエイティブな空間」でないということです。今の職員室は流れ込んでくる情報をただ整理して、やっつけているという後追いの仕事になっています。本来であれば職員室の一角では授業や学習計画、子どもの評価について常に教師が話し合っているというのは「当たり前」なはずです。しかし、今はパソコンに向かって黙々と仕事を処理するような、工業生産の一従業員のような仕事になりつつあります。こうした職員室からは「スピード感」のある仕事は生まれません。内容もクリエイティブではなく、やらされ仕事でネガティブになっていきます。(まあうそみたいに仕事が多いのも事実ですけどね)
 
じゃあ、どうしたらスピード感のある仕事ができる職員室になるのでしょうか? 私は簡単だと思います。「余計なことをやらない」ただこれだけです。本当に子どもにとって必要なことに精選すれば、私たちが夜7時すぎに帰ることなんてあり得ません。少なくとも週に何日か4時から6時くらいまで(それでも勤務時間超過だけど)の2時間は話し合える時間があるはずです。私たちが「忙しい」「忙しい」ってばかり言っていたら、心までもが萎縮していきますし、第一他の人と話をしたいなんていう気持ちにならないことでしょう。ましてやポジティブな話は出てこなくなります。
 
私たちはそれほど賢い人間ではありません。間違いも起こすし、実践なんていつもうまくいく訳なんてないのです。でもその突破口は人との関わり合いの中からしか生まれてきません。独りだといつまでも自分のダメさが分からず変革のスピードが遅くなるのです。
 
常に職員室で議論できる環境があれば、どんどん修正をかけながらカリキュラムはよりよいものへと変化し続けることがきます。どんな問題が起こっても柔軟に対処できるようになります。しかし、実際には一度決めたものは最後まで修正されることもなく、下手すると来年も同じようなことをするはめになります。
 
結局それで不利益を受けるのは子どもたち自身だと言うことをもう私たち教員は肝に銘じるべきだと思います。
 
追記
「スピード」って○付ける速さとか、文章を書く速さとか、人よりも早めに仕事を終えるという速さじゃないです。