国語の授業

2年前くらいに各教科の授業について書いた記憶があるのだけど、最新の授業について書いていきたいと思います。この2年間でかなり授業はスマートになってきました。昨年と今年でも同じようで実はかなり違うこともやっています。なお、ここに書かれている授業を、深い考えなしにトレースすることはおすすめしません。おそらく失敗すると思います。膨大なチャレンジと失敗の上に積み上がっているからです。ただ、ここに書く意味というのは、こんな授業もあるのだということを知ることと、自分ならどんな授業を目指していくべきかという方向付けを定めるのに役立つと思うからです。
 
国語の授業は基本的に次のような流れで行われています。
ちなみに小学3年生です。
 
0〜5 めあての確認
5〜30 読み取りと話し合い(これらは個々によってシームレスです)
30〜45 まとめの時間(原稿用紙に出力する)
 
簡単に言うとこんな授業です。これは物語文であろうと説明文であろうとほぼ同じような流れで動いています。
 
「ん? 普通と変わらないじゃない?」
 
そうですね。普通に学習指導案を書くならばこんな形が基本でしょうね。
でも、この授業は究極的にそぎ落とされています。簡単に言うならば、子どもたちがいつものように、自分たちで授業を進められます。最後の出力(書き出す)は15分で600字ほど書きます。通常の3年生のノートなら2ページくらいでしょうか? それを「毎時間」です。
 
「そんなに厳しくやらせたらつらいんじゃないの?」
子どもたちはこの書く作業が大好きです。授業が終わっても止めない子どもがほとんどなので「ちゃんと休み時間は遊べ!」って言わなければ休み時間をつぶして2枚目に突入しちゃう子どもも出てしまいます。
 
「どうしてそんなに書けるの?」 授業の肝は真ん中にあります。この時間に課題についてどれだけ話し合えるかが大事になります。通常教師がこの話の流れをコントロールする、またはイニシアティブをとることが多いと思いますが、その「余分」な部分はそぎ落としています。その代わりに子どもの話をつないだり、問いかけたりしていきます。
 
その時間帯にどれだけ頭の中に話を圧縮して詰め込めるかが大事です。これはトレーニングが必要です。でも小学3年生であれば、ちょいと練習すればこの25分程度の話ならばほぼ完全に復元できる能力を持っています。だから鉛筆が止まることなく書き続けることができます。
 
2年前は「書く」という学習は主に宿題に依存していました。新聞記事を読んでノート2ページに感想を書くのがメインの宿題でした。しかし、最近ではこれを授業の中に普通に組み込めるようになってきました。ですから宿題に出さなくてもよくなってきています。
 
子どもたちの書く原稿用紙は、手作りの600字ほどの原稿用紙ですが、今年はこれをクラス全体です数千枚書き出す計画です。7月だけで400枚近く消費しています。
 
実は多くの場合、教師の余分な動きが子どもたちの力を十分に出させないまま授業が終わってしまいます。そぎ落としていくとここまで行き着きます。子どものポテンシャルは引き延ばすことができます。
 
ねっ、世の中にはこんな授業もあります。さて、みなさんはどんな授業をめざしていきますか?
 
次回は算数を。