本当に大事なこと

http://d.hatena.ne.jp/tontan2/20120612/p1

ここの話に続きます。
学び合いの学習にシフトして分かった「学ぶことの神髄」とは何か?
 
答えはごく単純です。
 
「理念を持ってやり続ける」
 
当たり前のことですよね。シンプルです。
「〜すれば必ずうまくいく」とか「必ず成功する」とか、ビジネスや啓発本にはそんな本がありふれていますが、教育も同じです。でもその通りやってうまくいくのならば、みんな成功者ばかりになっていなければなりません。教育のこれまでの超一級の教師実践が何度もトレースされています。でもうまくいくことは少ないのです。それは当たり前です。魂を抜いた文字情報や映像でトレースしているのですから。
 
何か特別な方法をやればきっと子どもたちは伸びると思われるかもしれませんね。でも私は「NO」です。
 
うちのクラスで言うならば薄皮を一枚一枚重ねていくように毎日毎日地味な作業の連続です。でも言い続ける、やり続けるからこそ、他を圧倒するようなパフォーマンスが生まれます。でも本当に地味な作業なのです。
 
学習とは少し外れますが、今日は図工室の配管が壊れていて、水場を使ったものですから、図工室が水浸しになってしまいました。でも給食の時間が迫りましたので当番の子どもたちは先に教室で給食の準備をするように指示しました。他の子どもたちと一緒にぞうきんで拭き取ってバケツに入れていたときに、当番の子どもたちが「給食の準備は終わりました!」とぞうきんを持って駆けつけてきました。
 
その準備の時間の速さと駆けつけてきたときの当番の子どもたちの表情を見て、少しビックリしました。帰りの会で子どもたちに話したことは子どもたちの成長の喜びです。
 
でも、上記のように行動になるためには4月から毎日毎日、こんな時にはどうすべきなのか? どう考えなくちゃいけないのか? その場に合わせてしつこくしつこく話をしてきたからです。だから、自分の掃除が終わっても遊ばずに、他の子の応援に行くような子どもたちに育つのです。
 
ただ、これは上の空で言葉だけかければよいと言うものではありません。担任が「本気で」言ったときだけ子どもたちに染みこみます。どんなにすてきな言葉であろうとも、教師自身の言葉でないかぎり、子どもたちは動きません。それがノウハウの限界なのです。
 
これは勉強でも同じ。同じ3年生からすると嘘みたいな量を書き始めていますが、それは毎日毎日紙1枚積み重ねていくような学習を積み上げていっているからです。そこには種も仕掛けもないのです。ただただシンプルであり、しつこくもあり、そして自分の理念をしっかりと持っている教師がいるだけなのです。
 
特に若い先生はいろいろな実践に目移りすることでしょう。でも答えはテクニックの部分ではなく「やり続ける」という「信念」の部分なのです。 
次回はもう少しこの部分を掘り下げたいと思います。
 
 
追記
 
「信念ってなんじゃい?」 「どうすれば信念なんて生まれるの?」
簡単です。「授業とは何か」 1000時間くらい人としゃべってみてください。そうすれば分かります。もちろん、1000時間やらないと分からないのではなくて、徐々にはっきりとしてくると言うことです。だから若い先生も考え始めた瞬間から信念が生まれてきているのですから安心してください。