プロフェッショナル

ロンドンオリンピックの代表選考会が行われています。そのある平泳ぎ選手の解説で、足の戻しを100%にするのではなく、70%にすることで減衰力を抑え、結果的にタイムが縮まるという話がありました。
 
私の授業も70%の授業です。フルパワーに持って行くことがありますが、フルパワーにするとどうしてもその持続が難しくなります。揺らぎが起こるのです。1日中自分のクラスを担当している小学校教師であるならば分かりますよね。
 
70%×5>100%×2+50%×2+20%×1 こんな感じかな?
 
だから、いつでも人に授業を見せることができます。全教科・全時間を。
通常であれば1日中授業を見せるなんていうのはあり得ない訳で、テンションが持ちません。しかし、70%で授業を安定的に維持することで、人に授業を見せてもほぼブレはなく、平坦に授業ができます。これは授業を見に来た人ならば分かりますよね。その代わり、100%ではないのでよそ行きのような授業ではありません。ただただ子どもが淡々と途切れなく勉強している様子があるだけです。
 
私は、教師としてプロフェッショナルになるということは70%の授業を無理なく、毎日、毎時間できるようになることだと思っています。もちろん必要があれば、それをいつでも100%に引き上げることができる70%です。
 
では、そのために必要なことは何でしょう?
 
私は2つあると思います。一つはよく言う「看取り」です。看る力がなければ、子どもがどの状態で勉強しているか分かりません。教室全体を把握できる力です。この力を身につけるのは毎日、ちゃんと「看る」それだけです。
 
もう一つは100%の授業の授業を数多くやることです。そのためには教科や教材についての深い知識や考え方を持ち、単元計画も授業計画も自由自在に作る力が必要で、これができなければ成り立ちません。そうして自分の最高レベルの授業を常にアップデートしていくことです。
 
このようにして経験を積んでいくことで、教師はプロフェッショナルへと昇華していくのだと思います。
 
私? 
 
まだ自分には力まないと成立できない授業がたくさんあります。ですから上記のことを私もまた一生懸命に取り組んでいます。10年後には半分の力でもスムーズな授業ができるようになりたいと考えています。