これが本当の算数の「学び合い」

今日、インフルエンザがついに暴発。巷ではA型が流行っている中、うちのクラスらしくB型が流行中。ということで学年閉鎖も危ぶまれる今日この頃です。そんな中、今日は算数が予定時間をオーバーしてしまいました。子どもたちが「分からなかったから」です。
 
さて「学び合い」では算数が一番やりやすいと言われますが、前にも言ったように算数が実は算数が一番難しいと私は思っています。なぜならば「教材研究」がもろに出てしまう危うさがあるからです。
 
問題(4年生)
お兄さんは本を50ページ読みました。弟は本を20ページ読みました。弟をもとにするとお兄さんの読んだ本は何倍ですか。

この問題を解くのであれば1時間でほとんどの子どもが「計算」で求めることができます。ちょっと学び合えばクラス全員が「みんなができる」ことでしょう。じゃあ本当に子どもたちは「分かっている」と思いますか?
 
問題2
お兄さんは本を50ページ読みました。弟は本を20ページ読みました。お兄さんは弟の何倍読みましたか。
 
まずこれで正解率がガクッと下がります。小学校教員が長い人だとなぜ正解率が下がるかよく分かりますよね?
 
「さらに妹が出てきて40ページ読みました。」
 
さらに3つ目の数値が出てくることで「できる」子どもの7割が間違うようになります。
 
「分かる」と「できる」は決定的に異なります。「分かる」というのは数値を変えても文章の書き方を変えても、自由自在にこなせる力をいいます。上記の学習を概念的に理解し、操作するのは実は4年生にとってギリギリとなる高い能力を必要とします。
 
だ・か・ら「学び合い」が必要なのです。問題を解くことなんて宿題で十分。なぜ自分は間違ったのか? なぜそうなるのか? 数字が3つだったらどうするべきなのか? そこをしつこくしつこく考え、図にし、言葉にし、分かっていくことが本当の算数の「学び合い」の授業です。
 
これで「算数は比較的簡単にやれます!」と言えますか? 私は一番大変で、一番難しい「学び合い」が算数だと思っています。これを乗り越えるだけの授業をしないと「算数の力が付きました」とは言えないことでしょうね。