嫌なことを言えるのも教師

私も子どもたちから「優しい先生」とか「包み込んでくれる」とかいわれたいなぁと思うことがありますが、嫌なことを言えるのも教師だと考えています。
 
先日も授業ですんごく厳しい「ダメだし」を2回連発で出しました。
 
一つは2年目にもなって算数の時間のほとんどを自学習している子どもたちに、そしてもう一つは国語の読みの甘さに。
 
うちのクラスでは算数は毎時間の課題設定がありません。だからさぼろうと思えばいくらでもさぼることができます。誤解のないように説明すると「さぼる」というのは、遊んで歩いたり違うことをやっている「さぼる」ではなくて、ちゃんと勉強はしているけれども質の低い勉強をしていてさぼっているということです。宿題は予習ベースですから、すぐに分からないところから始められるはずです。しかし、家での予習がきちんとできていない(つまり学習に対しても目的意識がしっかりしていない)子どもは教科書やドリルにかじりつくことになります。こうした子どもは授業が始まって30分してやっと自分は何が分からないかが分かります。でも残りは15分です。こうなるとせいぜい一人と話し合って、わかった気になって終わりです。
 
また国語では他のチームの読み取り方に注目もせずに薄っぺらい読み取りをまとめています。明らかに考えを持って読み取っているのではなく、勉強を「まとめること」を目標にして学習してきていることが分かります。
 
このことに関して厳しい話をしました。子どもにすればちゃんとやっていた(つもり)ですから「ダメだし」をすれば、音を立てて「ガクッ」っと心が折れるのが分かります。でもこれは教師にしかできないことだと私は思っています。質の低い学習を「がんばったね!」では、教師の本道を外しています。教師は評価(成績をつけるという意味ではありません)のプロじゃなければならないと思います。
 
最後に。
嫌味ばかり言うと子どもに本気で嫌われます。なぜダメなのかを子どもに分かるように説明すること、そしてそれを挽回するチャンスをきちんと与えること、一歩進むための簡単なヒントをあげることが大事だと思います。特にできなかったら何度でもチャレンジできるようにしてあげることが大事ですよね。