1mSvに思うこと

文科省で子どもの年間被曝量を1mSv以下にすることを「めざす」というう方針がでました。この数値を受けて2つのことを思いました。
 
まず、多くの人が民意で方針が覆されたと思っているかもしれませんが、そんな甘い世界ではありません。おそらく郡山市が実際に表土剥離してそのコスト計算を福島県内に広げて算段したのでしょう。その結果それほど莫大なコストがかからないとそろばんをはじいたのでしょう。しかし、それは文科省を馬鹿にしているのではなく、夜遅くまで賢明に対応策を練っていた方々の努力の結果であることも事実でしょう。
 
また子どもの被曝1mSvですがこれは「学校」でです。郡山市の本校をもとにちょっと計算してみます。
 
そもそも学校では校舎内は0.1μ程度しかありません。体育館で0.2〜0.3μです。ほとんどが教室内で過ごしていたのです

1日に8時間過ごすとして、1日に0.8μSv程度。学校は年間約200日。ですから160μSv=0.16mSv 
 
校庭の除染前でも学校の中では市内で最も安全なゾーンなのです。
 
逆に木造の家では今でも0.3〜0.4μSv 家では16時間ですから0.4と考えて、1日に6.4μSv 200日で1320μ=1.32m

休日は家にいるとして0.4が24時間で9.6μ 165日で約1600μ=1.6mです。
 
合計して、ざっくり3mSvです。これだけ子どもは「最低限」被曝する計算です。3月の高濃度の時期を含めると4mSvくらいでしょうか。つまり、学校での被曝は生活全般からすれば、非常に少ないのだと考えてよいと思います。できるだけ学校のようなコンクリートのような建物にいるようにすれば、被曝は減らせます。
 
私は外部被曝で4mSvくらいならおそらく大きな影響はないかと考えています。(放射線による健康被害というのは確率の問題なので) 問題は内部被曝と3月中に高濃度のヨウ素を吸い込んだ子どももいるであろうことです。中通りの幼児は自分の息子も含めて、これから20年間は甲状腺の検査をしていく必要が絶対にあります。おそらく福島県の学校の内科検診はのどの触診なども加わるかもしれません。でもそんな触診をしても状態が分かる専門医など福島県にはいませんけどね。

内部被曝はこれまで書いたように気を付ければ、東京とそれほど変わるものではありません。むしろ気を付ける分、内部被曝は少なくできるかもしれません。
 
これで分かるように校庭は表土剥離しても、中学校レベルで部活動をすればあっという間に「学校でも」1mSvなんて超えてしまいます。ちょうど部活馬鹿の県ですし、よい機会かもしれませんね。
 
我々は汚染地域に住んでいることを忘れずに、賢く生きなければ健康にはくらせません。