冷静とは?

「どうか冷静に考えてツィートすることを止めてください」
そんなことを言われました。
 
一切デマを流したことはありません。
 
安全圏のみなさんは「どうぞ冷静に」と言います。しかし、それは安全圏の人間の言葉であり、福島県では行政以外に誰もそんな言葉は出しません。出しようがないのです。「分からない」のですから。
 
「冷静に」という人は、「私は圏外だから冷静に判断できている」と思っているのでしょう。でもそうした人に限って行政やメディアの言葉をすんなりと受け止めてしまい、定量的に判断していません。
 
そんな人に言います。
 
30km圏外で最も高い飯舘町では放射線の測定値は、20μsV/hです。
毎日10時間外にいれば200μ つまり0.2mです。年間で75msv/hです。これはよくテレビで言う胃の透視0.6msvの「100回分以上」です。確かに今後、順調に冷却が進めば放射線量は徐々に下がることでしょう。でもあなたは「自分の子ども」を外で遊ばせられますか? 気持ちよく家族でピクニック行けますでしょうか?
 
原発も同じです。今状況が好転しているのは自衛隊・消防士のおかげです。本当にありがたいことです。でも燃料の冷却には1年以上かかります。それまであのがれきをどうするのでしょう? コンクリートのかけら一つ拾うのにどれだけの労力が必要とされるでしょうか? しかも、あれだけ巨大なコンクリートを砕いて埋め立てるような場所はどこにもありません。冷却できてもこれからの処理を考えると福島県の人の不安はどれだけ大きいものでしょうか?
 
直接関わりのない人間の「冷静に」という言葉ほど、おろかな言葉はありません。飯舘町も一斉に避難を始めました。この人々に「数値的には大丈夫だから冷静に」と外部の人が言えるとしたら本当にひどいことです。