一つにこだわるということ また

昨日の話に続きます。
 
そうはいっても若いうちにはたくさんの実践に目移りします。どれもこれもが輝いて見え、自分の実践は鈍く見えるものです。でもそうした「輝いている」ように見える実践も実は、多くの苦難と失敗を乗り越えて現在があります。とうぜん、私もそうだし、今でも失敗はよくあります。(失敗が減ったのではなくて気がついて対処することが早くなったのです)
 
しかし、僕から見るとそうした若い先生もそれぞれが持ち合わせている「強み」は必ずあります。それは何十年教師をやっていても「負けちゃうな〜」って思うような「強み」です。若いうちにはそうした自分の強みに気がつかないものなのです。でもそうした強みというものが本領を発揮するのは、自分の余分なものをそぎ落とした時で、そこで初めて見えてくるものなのです。
 
様々な実践を加味している限りはその自分の強みというものは方法に埋められ、見えにくくなります。実践を一つに絞るということは、その実践を通して一度付け加えたテクニックや方法をそぎ落としていく作業なのです。そぎ落としきって最後に残ったものが自分の本来持っている強みなのです。
 
もちろん初任者にはそぎ落とす贅肉さえございません。教師の成り立ての人はまずは世の中のさまざまな実践を読み、そしてその実践者の話を聞くとよいでしょう。そうして蓄えが備わったときに一つに絞って深める。その数年間がその人の教師人生を左右すると思います。
 
追記
「私は50代なのだけど今からでは遅い?」
そんなことはございません。30年やったからこそ無駄がたくさん見えているはずです。自分が本気でやってみたいことをやるのに年齢は関係ございません。僕の経験だと50代の先生の変わりっぷりはものすごいです。