『学び合い』はどうすればうまくいくのか?

どうすればうまくいくかなんて実は答えはありません。だってそれが『学び合い』のセオリーでしょ?
 
でもそんなことばっかり言っていても仕方がないし、ひょっとすると私の実践とかブログを読んで実践している人もいるのかもしれないから、これまで言ってきたことを改めて書きます。
 

まず最も大事なことは「『学び合い』は必ずうまくいくはずだ」という変な理想は捨てること。どんな実践でも同じです。そんな原理原則はどんな授業にもございません。うまくいくのはその「人」だからで、テクニックとか方法の問題ではないということです。その上で下のことを。


○看取りのこと
子どもの姿に変に感動はしないこと。子どもが自ら学ぶのは普通のことです。必要なのは冷静で正確な分析です。うまくいかない場合の多くは「看ていない」はずです。「看る」という時は「目」だけでなく「手」という文字も使われているます。つまり感触、触覚のように感覚を大事にするということです。まずは1時間、しっかりと子どもを看てみましょう。何かつかめるはずです。
 
○保護者のこと
自分の言葉で子どもをどうしたいのか、どうしていくのか、どんなビジョンを持っているのか、そしてそのビジョンに従って子どもを伸ばしていくことでしか、保護者は納得しません。それができないのならば厳しいけど『学び合い』はしない方がよいと思います。トラブルで苦しむのは自分です。
 
○管理職のこと
上と同様です。校長教頭が保護者に、「うちの先生は教えないで自分で考えさせる教育を実践しているんです」なんて胸を張って保護者に説明できると思っているとしたら大きな間違いです。上で言ったようにマジョリティーは「先生が懇切丁寧に教える授業」を求めています。そんなことを胸を張っていえるでしょうか?
ちなみに以前本校のある校長は「授業とはこんなふうにちゃんと教えて」と言っていたのが、3年後には「授業は「学び合い」でなければならない。」と言うまで変化してました。どうしてそのように変化したのかというとそういう「納得」をもたらす取り組みをしてきたからです。
 
上記のことはうまくいくための要素の一部に過ぎません。うまくいかない先生がどうしてうまくいかないのかを私は知りませんし、知ったとしても答えは出ません。結局はその先生の理念しだいなのです。理念が揺るがないから、長く続けられるし、失敗してもすぐに軌道修正できるのです。
 
多くの名だたる先生方(それは『学び合い』に限らず)がうまくいくのはそうした揺るがない理念があるからで、その理念がない人がやたらと子どもを褒めてもうまくはいかないし、もちろん叱ってもなおさらうまくはいきません。
 
そこまでしてもやる覚悟はおありですか?
 
「YES」と言える人はきっとうまくいくと思います。