子どもをおもちゃにしてはいけない

部活動に関して苦々しい経験が数多くあります。
 
郡山市には「特設」という名の立派な部活動が小学校からあります。
私は真っ向反対です。子どもをおもちゃにしているからです。
 
もっとも苦々しい経験は、昔ある小学校での特設サッカー部と水泳部。
  
小学生ですからサッカーも水泳もできる子どもばかりが参加するわけではありません。まともにボールを蹴られない子どももいますし、入部当初は25mどころか10mも泳げない子どももいます。
 
サッカーでは下手な子どもは1試合目に出場させられず、2試合目の最後の1分だけ「あまった」3人が「おなさけ」で出場させていただけました。一緒に応援していた横で「先生僕たちの出番はないのかな〜」と悲しい顔をしながらうつむいている子どもは全く目線に入っていない監督教師。
 
水泳はやっと25m泳げるように練習したのに「勝ち目はない」とエントリーさえさせてもらえなかった子ども。他の出場枠は半分以上余っているのに。自分が出場できないことが分かって泣いていました。
 
この特設を担当した教師とはあいさつ以外話をすることは今後もありません。「子どものため」といいながら平気で子どもを切り捨てる姿はどんなことがあっても許せない。それが何年たっても私は許せない。
  
多くの部活動は「子どもの成長」という名もとに子どものコントロールに酔いしれている教師の自己満足です。それが自己満足か満足でないかは一人も切り捨てないという志があるかです。子どもがね。
 
サッカーにしても水泳にしても「おれの代わりに出して!」そう言える子ども集団にできなかった時点で、「おれがあいつの分をカバーして」とい言える集団にできなかった時点で教師の敗北なのです。
 
10年ほど前私が水泳部を担当していた時、やっと25mを泳げるようになった子どもに、やっと50m泳げるようになった子どもが「先生、おれ100m泳ぐから○○出してあげて!」と言い放った子どもの姿は今でも忘れられません。大会当日、おぼれそうになりながらも100mを泳ぎ切った彼はどんな素晴らしい記録よりも輝かしい姿でした。
 
私は子どもを簡単に切り捨てるなら部活動なんてかえって毒だと思っています。