小学校分科・中学校・高等学校での「学び合い」について

小学校の教務や中学校・高等学校の先生からすれば、小学校では学級担任をしていることをとてもうらやましく思うことでしょう。
 
確かにクラス担任制の良さは、子どもに毎日・毎時間同じで目線で子どもに声をかけられることにあります。でも、これを中学校でやるには全教科の教師で意志を統一する必要があるのですからそれはそれは大変です。
また、問題になっている部活動は多くの教師を悩ませていることでしょう。
 
それでも、中学校で授業を担当していた経験からいくつかアドバイスできることがあります。もし参考になることがあればと思います。
 
 
[環境を切り替える]
 
私が「学び合い」(当時は学びの共同体に近いかな?)がスムーズにできたのは「理科室」という別の環境があったからです。普段いる「教室」という環境から切り離すことで、「ここではここのルール」というものを構築しやすいのです。そこの中学校では、生徒の減少を受けて空き教室が増えてきていましたので、社会科では社会科室、英語では英語室で学習をしていました。それぞれの教室を覗くとその先生の個性が出ています。
生徒にとって「場所」を変えるというだけで、学習のスタイルを切り替えやすいのです。そして生徒は柔軟です。その環境にあわせて学習することができます。ですから、環境を変えるということをお勧めします。
 
 
[部活動]
 
これを今すぐに無くすのは無理です。その為には世論が、「教師はもっと授業に専念してくれ」という方向に傾かなければなりません。それにはあと10年以上の年月がかかります。じゃあ、どうすればいいの? こうなったら部活動で「学び合い」です。実際に私も小学校の部活動で成果をいくつか出してきています。そうなれば時間は拘束されども、子どもの成長を見届けることができることでしょう。部活動でのよい経験が授業にも波及する可能性もあります。うまく部活動を取り入れればよいと思います。
 
[一斉指導になれた生徒]
 
中学校・高等学校の先生は、これまで一斉指導にガンガン慣らされてきているから「学び合い」を導入するのが大変難しいといいます。しかし、両方を経験した私には、むしろ小学校低学年の方が難しく思います。一斉授業のダメさが分かっていないからです。この幼い子どもに「なぜ先生は教えてくれないのか」「助けてくれないのか」を説明するのはとても難しいと感じます。
中学校・高等学校では、一斉授業になれているのではなくて、飽き飽きしているのです。そして自分から動くことがめんどくさくなっているのです。でも、実はこれがチャンスなのです。「理科って結構おもしろいじゃん!」って思わせることができるのですから。これを「古典は」「歴史は」「歌は」「裁縫は」と変えていけばいいのです。飽き飽きしてふて腐れていれば、「それ以下」はありません。思い切りやればいいのです。
ここで大事になるのが、「おもしろさ」です。「みんな」でやることを通して「教科の持つ本質的なおもしろさ」を感じさせていくことが大事でしょう。
 
 
今思いつくことはこんなところです。また、思いつきましたら書きます。