「学び合い」とテスト

「クラスの最低点が劇的に向上する」これが「学び合い」の効力を表す姿としてよく語られます。
 
でも、私はそう考えてはいません。
 
私は「学び合い」を「学力の低い子どもでもずっと楽しく学び続けられる授業」と他者にはよく伝えます。
 
「学び合い」は下位の子どもを背伸びさせます。学びの共同体でも佐藤学氏はこれを「背伸びとジャンプ」などという言葉で表現します。子どもは他者と関わり合うことで劇的に伸び上がります。これがテストだと最低点の向上につながります。
 
でも……。
同時にこれは時間の経過とともに引っ張り下がります。小学校の先生なら今、9月の算数のテストを数字を変えてもう一度テストしてみれば分かります。本当の意味での定着には、その子どもの認知能力の向上を待たなければならないのです。でも、必ず子どもの能力は伸び上がってきます。その時に「もう一度学び続けられる」という環境を我々は用意してあげるべきなのです。
 
よく私は子どもたちに、
「先生は絶対にできない人を馬鹿にすることはありません。」と言います。本気でそう思っていますし、できないことなんて大した問題ではないと本気で考えています。
「そのうち、出来るようになるよ!」と。
だからこそ、そうした子どもたちのためにあらゆる手段を使って、「学び合い」できる環境と時間を確保し、学び続けられるようにしているのです。
 
今日は放課後の「明るく楽しく学ぼう会」にうちの学年の子どもたちがデビューしました。実質7校時目〜8校時目の時間帯ですが、まさにみんなで楽しく予習の「学び合い」をして、ニコニコして帰りました。ネガティブな姿は一切ありません。
 
学び続けられるこの姿こそ、「学び合い」でなければ絶対に到達できない子どもの姿なのだと思います。