指導要領から授業するということ

理科・社会科と音楽科の授業では指導要領を子どもと読み込むことから授業を始めています。何が出来ればよいのか、その為にはどんな学習が必要なのかきちんと明記されています。
 
例えば、4年生理科では、
 
身近な動物や植物を探したり育てたりして,季節ごとの動物の活動や植物の成長を調べ,それらの活動や成長と環境とのかかわりについての考えをもつことができるようにする。
ア 動物の活動は,暖かい季節,寒い季節などによって違いがあること。
イ 植物の成長は,暖かい季節,寒い季節などによって違いがあること。
 
解説では、
   
ここでは,季節ごとの動物の活動や植物の成長について興味・関心をもって追究する活動を通して,動物の活動や植物の成長を季節と関係付ける能力を育てるとともに,それらについての理解を図り,生物を愛護する態度を育て,動物の活動や植物の成長と環境とのかかわりについての見方や考え方をもつことができるようにすることがねらいである。
 
 
 
ヘチマを観察すれば、昆虫を観察すれば上記の目標を達成できるという教科書会社の提案であり、その教科書を学ぶことが目標ではありません。
 
指導要領を読み込むことによって、子どもたちのイマジネーションは非常に高まります。そうなれば、俄然、学習はおもしろくなります。教科書をそのイマジネーションの方向性(手順)を示してくれる参考書です。現状だと算数は「分かるおもしろさ」があっても、理科・社会・音楽などの自分の創造性を引き出させてくれる学習からすれば、色あせた学習に過ぎません。(もちろん算数をそうした学習にしなければいけないのは山々ですが)
 
最近、益々「できる」ことなんて、非常につならないことだと子どもの姿を見ていて感じます。(もちろんできなくて良いなんては思っていませんけれども) ただ、子どもの持つ能力をどう押さえ込まず、引き出すのか、そればかりに考えが向かいます。